21日から30日までの秋の全国交通安全運動に合わせて、新潟県警燕署(水上英俊署長)は22日、「新潟ニュース610」キャスターで村上市出身のフリーアナウンサーで矢田美沙希さん(28)を一日警察署長に委嘱し、署員への訓示や市内での街頭広報活動で市民に交通安全の大切さを呼びかけた。
燕署署長室で委嘱式を行って水上署長が制服を着た矢田さんに委嘱状を手渡し、一日警察署長のたすきをかけた。
矢田さんは署員を前に訓示。燕市の地場産業である金属加工製品の製造の現場を見学し、技術力の高さを感じことにもふれた。
「秋らしい気候になり、外出される人も増えてきている、一方で日が暮れるのも早くなってきているので、この機会に皆さんと一緒にきょうは交通安全を呼びかけたい」と話した。
このあと原信燕店前で特別街頭広報を行い、矢田さんは署員と一緒に来店客に「交通安全をよろしくお願いします」などと声をかけて啓発グッズを手渡した。
思いがけず矢田さんに会って握手を求める人もいれば、矢田さんに会いに訪れた人もいた。
矢田さんはNHKの契約アナウンサーで広島と滋賀の局に勤務した経験がある。村上高校で陸上部に所属し、短距離が専門だったが、今はフルマラソンにも挑戦し、10月12日の新潟シティマラソンに出場する。その陸上部の先輩が燕署に勤務しているのがきっかけで一日警察署長を頼まれた。
警察官の制服を着たのは初めて。「皆さんがふだん着られているものと同じものを着させていただいて、仲間になれたような嬉しさ、この大役を務められる光栄な気持ちもあり、背筋が伸びる思い」と顔をほころばせた。
陸上部先輩の署員は「当時よりもたくましくなっているので、頼んでよかった」と、後輩の貢献を喜び、感謝した。
水上署長は「広く県民に知られている矢田さんがきょう1日、警察署長を務められ、交通安全を呼びかけていただいて市民の交通事故防止の意識も非常に高まったと思う」と感謝。ことしは管内で交通死亡事故零ゼロを続けており、交通事故発生件数も昨年より少なく、引き続きこの状況が続くよう矢田さん効果に期待した。