イタリア政府公認の国際カフェテイスティング協会(IIAC)が認定する最高峰の称号「バリスタ・マエストロ」。イタリア人以外でこの称号をもつ世界でただひとりのバリスタ、横山千尋さんによるカフェセミナーが13日(月・祝)、新潟県三条市の古民家カフェ「café たけだや」で開かれる。本場イタリアのエスプレッソ文化の神髄にふれることができる。
午前10時から11時半までと午後1時半から3時までの2回、開かれる。テーマは「世界遺産のイタリアンエスプレッソを知ろう!」。コーヒーの抽出方法あれこれ、エスプレッソとはなんなのか、エスプレッソの良し悪しの見分け方について学ぶ。エスプレッソの試飲もある。
セミナー後は、参加者向けに横山さん自らがドリンクをいれる有料イベントも開催。エスプレッソと氷、砂糖などをシェイクして作る「カフェシェケラート」をはじめ、横山さんオリジナルの創作ドリンクなど、この日しか味わえない特別なメニューが提供される。
参加費は横山さんのセミナーでは破格の3,000円。定員は午前、午後とも20人。当初は午前の部だけの予定だったが、好評につき午後の部も設定し、参加者を追加募集している。
横山さんは長年、イタリアのバールで修行を積んだ。優秀なバリスタは11種類ほどのエスプレッソをいれられるとされるが、マエストロの称号を得るには30〜40種類ものエスプレッソをいれる技術が求められるという。関西や九州では絶大な知名度を誇る。
セミナーを主催するのは会場の「café たけだや」。吉田教太(きょうた)さん(54)。三条市役所に25年間勤務して2019年に早期退職し、製菓の国家資格を取得。2023年11月に築約50年の古民家を購入、リフォームしてカフェをオープンした。
ことし3月に柏崎市で開かれた横山さんのセミナーに参加して、その味に衝撃を受けた。「飲んだエスプレッソが衝撃的においしかった。後味がいつまでも香りとともに口の中に残るんです。砂糖を溶かし切る前に飲み、最後に底に残った砂糖をデザート感覚ですくって食べるという本場のスタイルも新鮮でした」と語る。
横山さんの卓越した技術と、客一人ひとりに寄り添う温かい人柄に感銘を受け、自身のカフェでのイベント開催を打診。今回のセミナーが実現した。
世界が認めたバリスタの技と哲学にふれる今回のイベントは単なるセミナーではなく、文化と人、そして新たな挑戦が交差する貴重な一日となるだろう。申し込みはGoogleフォーム「“横山バリスタのカフェセミナー”お申し込み」で受け付けている。問い合わせは「café たけだや」(070-9270-6477、三条市諏訪1-10-20)。