地域に根差したものづくりの祭典「燕三条 工場の祭典」が、新たな創造と交流の触媒となっている。金工作家の須佐真さん(50)=三条市=の伝統工芸の技と溶接アーティスト小林亮介さん(43)=燕市=の現代の技術を融合した花器が完成した。
タンブラーのような形の銅の花器。まず小林さんが細かな作業ができるタングステン電極のトーチを使った溶接で、オリジナルデザインの龍を繊細に表現した。
その後、須佐さんが鎚目を施し、さらに龍の部分に緑青を発色させ、重厚で華やかさもある完成度の作品に仕上がった。
以前から知り合いだった2人は、共同で豆皿を作るワークショップを行ったことがある。「思ったよりうまくいった。今度、何か一緒にやりたいねとなって」と須佐さん。「そこに工場の祭典があってちょうどいい機会なので間に合わせた」と小林さん。試作も行って今回のコラボレーションに取り組んだ。
販売価格は税込み11万円。工場の祭典で須佐さんの工房を訪れてこの作品に興味を示している人がいる。ユニークな取り組みにふたりとも手応えを感じ、今後もコラボ作品の制作を継続することも検討している。