イオンリテールは13日、新潟県三条市上須頃で開業するイオンショッピングセンター「そよら三条須頃(すごろ)」の報道機関向け概要説明会を開いた。近隣にイオン三条店、イオン県央店を営業しているが、イオン三条店は10月31日で一時休業して再出店を検討中で、イオン県央店とはすみ分けを図る。また三条市と包括連携協定を締結することを明らかにした。
そよら三条須頃から2km東にイオン三条店、600m北にイオン県央店が位置する。イオン三条店は1982年の開業から43年になり、施設の老朽化や安全面で十分な買い物環境を届けられないため一時休業を判断した。
立地は魅力的で今後、店舗は取り壊してさら地にするが、再出店を検討している。
1991年に県央サティとしてオープンしたイオン県央店とは、すみ分けを図る。「そよら」は新しいタイプの都市型ショッピングセンターで、そよら三条須頃が新潟県内初出店になる。
そよらのコンセプトは「通う・集う・つながる場」。そよら三条須頃はタイムパフォーマンスを中心に訴求するショッピングセンター、イオン県央店はイオンシネマを有する広域型のショッピングセンターと位置づける。
品ぞろえも、そよら三条須頃は衣食住、キッズも含めたGMS(総合スーパー)として十分にすみ分けができると説明。この2店舗で「県央エリアをイオンとしてシェアを上げていきたい」と意欲を示した。
また、県外資本の食品スーパー、ディスカウントストア、ドラッグストアの参入が相次ぎ、県内の食品小売り業の競争が激化している。そよら三条須頃はイオンリテールの県内で43店舗目となる。
ことしは新潟市内に300坪タイプのイオン白山浦、700坪タイプのイオン黒埼を開業した。今回はそよらという形で、ショッピングセンターから小型店までさまざなタイプの店舗を展開して競争に戦っていく。
また、三条市との連携については、開業日に午前9時の開店に先立って8時から三条市との包括連携協定の締結式を行う。そよら三条須頃と道路をはさんだ向かいにある三条市立大学をはじめ、三条看護・医療・歯科衛生専門学校、新潟県央基幹病院とも連携を図る。
13日にそよら三条須頃で行われたイオンふるさとの森づくり植樹祭にはそれぞれ学長、校長、病院長も植樹に参加した
そよら三条須頃では三条市立大学が地元企業と共同開発した「燕三条背脂のタレ」を取り扱う。それ以外にも三条市立大学の授業の一環でそよら三条須頃との連携について検討を進めている。
三条市立大学のアハメド・シャハリアル学長は「学生たちもここが開けて、また新しいコミュニティーや新しい文化が形成されるので、三条がどんどん発展していくのがうれしい」と歓迎している。
イオンスタイル三条須頃の秋山佳男店長は、三条市立大学について「産学連携の姿勢が本当にすばらしい。学生にも現場で社会を学べるシーンを与えてほしいとのことで、われわれは工場ではないので製造はできないが、販売という形を通して『燕三条背脂のタレ』を製造メーカーも呼んで、新米のおいしい時にご飯に乗せて食べてもらうとか」とアイデアを話す。
三条看護・医療・歯科衛生専門学校についても「例えば健康に関わるサポートの事業で、お客さまの血圧を測っていただき、対外的にお客さまとふれ合う機会をわれわれが提供して、研修の成果を発表する、また、アルバイトや弊社への興味関心も含めて声をかけさせていただいている」と連携に積極的で、足しげく両校に顔を出していると話していた。