子どもたちをクマから守ろうと新潟県三条市は29日、クマとの遭遇が心配される山沿いの市内小中学校や保育施設にクマ撃退スプレーを配備した。

県はクマ出没特別警報を発表中で、三条市でもクマの出没が頻発している。10月だけでも30日までに市内で53件ものクマの目撃や痕跡の情報があった。
幸い市内で被害は発生していないが、全国では毎日のように被害が伝えられ、市内でもいつ被害が出てもおかしくないほどの状況になっている。
そこでクマに遭遇した万が一の場合に備えて、クマの出没が多発している山手の小中学校などにクマ撃退スプレーを配備した。1カ所に2本ずつ、小学校9校、中学校2校、義務教育学校1校(前期課程と後期課程で4本)、保育所等10施設、児童クラブ6施設に配備した。
31日、下田地区の市立長沢小学校(池田岳康校長・児童75人)では教諭がクマ撃退スプレーの使用方法を納入業者に教えてもらった。スプレーが届く範囲は10mほどだが、風下ではそれより短くなる。クマを撃退するというより、スプレーを噴霧して時間を稼ぐような使い方などをアドバイスしてもらった。

長沢小はほとんどの児童がバス通学しているが、学校の近所に住む児童10人だけ2つの班に分かれて徒歩通学している。登下校には教諭が同行しており、その時にクマよけの鈴とともにクマ撃退スプレーを携行する。
ただ、ことしはクマの出没が相次いでいることから、長沢小はすでに自前で2本のクマ撃退スプレーを調達しており、今回の配備と合わせて4本になった。