1982年(昭和57)10月27日、新潟県三条市東裏館2に開店した「ジャスコ三条店」として開店した「イオン三条店」が10月31日、閉店した。閉店セレモニーには約700人が訪れ、43年間の歴史に感謝し、閉店を惜しんだ。

午後6時に本館、7時に食品館が閉店した。その後の閉店セレモニーは食品館前の屋外で行う予定だったが、雨降りのため来店客に配慮して食品館内で行い、手の空いた従業員が整列した。駐車場は満車になり屋上駐車場も開放。想定を超える人が訪れた。
イオン三条店のテナントの専門店会「イオン三条店同友会」の水野一郎会長(コスメティックハウス ミズノ社長)は、専門店10店舗すべて移転や統合できることになったことを喜び、「次の機会にお目にかかることを楽しみにしている」と感謝した。

イオン三条店の重栖孝一店長は、閉店を発表してから店内に掲示したメッセージボードには1,085枚ものメッセージが寄せられたことに感謝した。
これからどこで買い物したらいいのか、また帰ってくるよねといった言葉を受け、毎週日曜の店長じゃんけんを子どもが楽しみにしていたといった心あふれる言葉をもらい、「この店は本当に皆さまに愛されてたんだなと思った」。

夏の三条花火は本館屋上を開放してきた。「小さな子どもやファミリー、カップルがたくさん集まり、花火が打ち上がるたびに、歓声や笑顔があふれ、後ろで見ていると、来年も再来年もここで花火を見たかったのが本音」と惜しんだ。
代わりに11月7日に三条市上須頃にオープンする「そよら三条須頃」のキーテナント「イオンスタイル三条須頃」と既存の「イオン県央店」(燕市)の利用を求めた。

秋山店長は「昭和の時代に開業したイオン三条店では、皆さまの生活に寄り添った素敵な買い物ができる心地よい店として長らくお仕えしてきた」と振り返り、「思い出をいくつも紡いできた大切な地元の店であったと、きょうの皆さまの集まりを見て本当に感慨深く、私も感動している」。

43年間のイオン三条店にあった「歴史や信頼はイオンスタイル三条須頃で引き継ぎたい」と述べ、「イオンスタイル三条須頃でまたお会いできることを心より楽しみに待っている」と願った。
最後にあらためて重栖店長の「43年間、ありがとうございました」で従業員が深々と頭を下げると拍手が鳴り響き、あちこちから「ありがとう!」の声も上がった。

店内放送で「蛍の光」が流れるなか、従業員は通路両側に並んで客を見送った。最後のひとりを送り出すまで正面入り口前に数十人の客が残り、午後7時58分、再び「43年間ありがとうございました」でドアが閉まった。
イオン三条店から歩けるていどの距離にほかのスーパーがあるが、広さや品ぞろえの充実に加え、食品館の24時営業の安心感も大きく、「困るよね」、「これからどこへ行けばいいんだろ」と頼れるスーパーを失うことを残念がっていた。イオンリテールは、イオン三条店は一時閉店休業と再出店の可能性を残しており、再出店を願う人は多い。

イオン三条須頃に勤務する従業員も多く、「今度は向こうに会いにいくから」と従業員に声をかけるなじみ客も。目をうるませる授業員も多かった。
同友会会長の水野社長は「いつまでも同じ所でやれる気がしてたんだけど、時間がたつつこういうことも出てくる。非常に残念」と感慨深く話した。

1959年(昭和34)に昭栄通り商店街で開業。88年(昭和63)に三条市神明町にオープンした商業施設「パルムショッピングセンター」のテナントに入居した。そのキーテナントは2001年(平成13)までジャスコパルム店だった。
イオン三条店での営業は30年余り。11月20日に林町に新店舗をオープンする。閉店を迎えて「これだけお客さまがいらっしゃったのは、びっくりした。このくらいの人がせめて月に1回でも来ていただていれば、もっと長持ちしたかも」と笑い、新店舗のオープンまで「ゆっくりと、のんびりと、お客様に来ていただくことを考えている」と笑顔だった。