新潟県燕市の市立大曲八王寺保育園(八王寺)で16日、明け方と深夜の1日に2件もの不法侵入が発生した。園内で物品の盗難など実害は確認されず、侵入の目的がはっきりしない。燕市は警察と連携して警備体制を強化している。

燕市の発表によると、最初の侵入は16日午前3時8分。1階遊戯室の警報が作動し、駆けつけた警備会社と警察、園長が確認したところ、窓が外部から開放されている状態だった。遊戯室に異常はなく、遊戯室以外への侵入も確認されなかった。
しかし、その日のうちに午後11時50分に再び警報が作動した。今度は同じ遊戯室内で泥の足跡が見つかり、侵入が確実になった。2回目は別の窓から逃走したとみられ、いずれも園内の金品や備品は無事で、荒らされたようすもなかった。
大曲八王寺保育園では、2カ月前の9月16日、外階段のベランダ部から不法侵入が確認され、複数の警報センサーが作動している。そのため侵入経路には二重ロックを導入したが、今回、侵入された遊戯室の古い窓には対策が施されておらず、かぎがかかっていない状態で逃走している。
これまで計3回の不法侵入では、いずれも荒らされた形跡がなく、盗撮機器の設置も見つかっていない。いずれも園関係者や警備会社が現場へ到着したときにはすでに犯人は逃走したあとで、犯人はわずかな時間で現場を立ち去っている。
犯人は警戒されていることを承知のうえで同じ日にまた侵入しており、執着のようなものが感じられ、目的が不可解な犯行だ。
燕市は16日、保護者に向けて緊急の情報発信を行い、さらに近隣の自治会にも注意喚起を行った。今後の対応としては、園内の二重ロックの未整備カ所の整備、防犯カメラの増設、深夜巡回パトロールの強化、警備会社・警察との連携強化を図る。