新潟県魚沼市に国道番号の標識が4つ縦に並ぶ珍しい「重複標識(通称:お団子標識)」が登場した。国道の標識はその独特の形から親しみを込めて「おにぎり」と呼ばれるが、これが4つ連なった「4連おにぎり」は全国的にも極めてまれで、おそらく2例目。道路ファンのみならず、地域の新たな話題づくりが期待される。

この標識が設置されたのは、魚沼市中島地内にある居酒屋「吉兵衛」前の大型道路標識の支柱。11月中の設置で工事が進められた。上から順に 国道252号、290号、291号、352号の4つの国道番号が「くし団子」のように並ぶ。
複数の国道が重複する区間は全国各地に存在する。例えば、新潟市中央区の本町交差点は国道8路線が重なる全国最多の地点として知られ、「8連おむすびプロジェクト」として2024年6月にミニチュア標識が設置された。
しかし、道路法上の正式な標識設置は、重複区間では一番若い主要な番号の標識を1つだけ出せばよいとされている。重量や風の影響を考慮し、あえてすべての標識を掲示すのはまれだ。

2019年に福井県敦賀市に設置された4連おにぎり「全国唯一」として2020年に福井河川国道事務所がSNSが発信して話題になった。魚沼市はそれに続く全国2例目と思われる。
地図上では代表的な番号1つしか表記されないため、現地に行かなければ見られない「隠れキャラ」的な存在。設置を担当した魚沼地域振興局は、「面白さもあり、ちょっとでも気にしてもらって注目を浴びればと。観光資源じゃないですけど、話題づくりにもなればいい」と種明かしする。
大々的なPRは行わず、「知る人ぞ知るスポットになれば嬉しい」というスタンスだが、すでにSNS上では「素晴らしい映えスポット」「ギタリストのマイクスタンドみたい」「見つけてみたい」といった声が上がり、じわじわと注目を集めている。
行政のちょっとした遊び心が形になった、魚沼市の新たなランドマーク。くしに刺さった団子のような見た目は、まさに映えスポットで、4連おにぎりと一緒に記念撮影も人気になりそうだ。