「蕎麦処 文ざ」を運営した(株)ゼニス(資本金 200万円、新潟県妙高市)は、11月16日付けで事業を停止し、自己破産申請の準備に入った。負債は約9000万円。
帝国データバンクの調べでは、同社は、1979年創業、2015年4月に法人改組されたそば店。中頸城郡中郷村(現:上越市中郷区)で「蕎麦処 文ざ」として創業し、2011年に現在の本店に新築移転した。
席数84席と上越・妙高エリアにおける日本そば専門店としては最大規模を誇り、粗挽きのそば粉を使用したそば本来の風味が味わえる店として評判を得て、コロナ禍前の年商は1億円を超えていた。
しかし、店舗建築などの設備投資に対する借入負担が重く、採算性の乏しい展開が続くなか、新型コロナの影響も加わり来店客数が減少。21年3月期の年売上高は約7000万円にまで低下した。
コロナ融資を導入して急場をしのいだが収益は好転せず、厳しい経営環境を余儀なくされていた。25年に入ってから、借入金返済のリスケジュールなどを盛り込んだ事業計画のもとで立て直しを図ったが計画通りに進まず、ことし夏場以降の代表の体調不良もあっで今回の事態となった。