東京ヤクルトスワローズと交流連携事業を続ける新潟県燕市で7日、スワローズの石川雅規投手と岩田幸宏外野手を迎えてトークショ ー「ネホリハホリ 2025」が開かれた。600人余りが来場して両選手から今季の振り返り、来季への思いなど、裏話を含めてライブ感たっぷりのここでしか聞けないトークを楽しんだ。

市内少年野球チームを対象とした野球教室「つばめ野球クリニック」とセットにしたトークショーで毎年恒例。前日6日はつばめ野球クリニックで小学生51人を指導し、トークショーはお笑い芸人の中静祐介さんのMCで進行した。石川選手は過去に何度かトークショーに出演しており、岩田選手は初めてだった。
「野球しかやってきてないんで、勉強してないんで、僕は」と石川選手。キャリアを振り返り、「もっと勉強をして、選択肢を広げれるようにしておけばよかった」と、若い世代に勉強の重要性を説いた。
少年のころはプロ野球選手と並行してパイロットになる夢も抱いた。映画『トップガン』に影響されて、戦闘機のパイロットにあこがれた。現在は「学校の先生とかやってみたい」という思いも明かした。
来場した中学生の野球少年に投手としていちばん気をつけていることを聞かれると、プロ入りしたときに当時の古田敦也捕手から受けた「まずストライクを投げるのが第一の仕事だ」と教えられたこと。四球を極力、出さないことを意識し、「バランスとタイミング」を常に意識していると語った。

俊足が武器の岩田選手は、来年のマラソンに挑戦するファンからストレッチ方法を聞かれると「試合中でも常に、もも裏を動かす」と回答。日ごらからのケアの重要性を強調し、試合後はすぐにケアはせず、自宅で1時間ほどかけて入念にストレッチを行うというルーティンを紹介した。
また、石川投手は「後輩にアドバイスを求めたり、どうすればプライドをなくせるか」の質問に、野球がうまくなりたい気持ちがいちばん大切で、その探求心の前では年齢やキャリアは関係ないときっぱり。「変なプライドはいらない」とアドバイスした。
人生でいちばん辛かったことはという深い質問に両選手は、それぞれの苦い経験を語った。石川投手は、チームがリーグ優勝から遠ざかっていた2010年代の数年間を挙げ、「やっぱり負けるっていうのが、いちばんつらかった」と振り返った。
一方、岩田選手は高校2年生の夏の大会での敗戦を挙げた。監督から「打ってこい」と送り出された打席でピッチャーゴロに倒れ、それが決勝点となり、3年生の夏を終わらせてしまった。「3年生の夏を終わらせるのは重い」と、今でもその記憶が鮮明に残るが、この経験が成長をさせてくれた。
石川選手は「50歳まで現役を続けてほしい」という熱いエールに、「1日でも長くマウンドに立てるように頑張りたい」。岩田選手は来季のレギュラー争いを問われて「勝ちますよ。センターは僕が守る」と力強く宣言すると、会場は大きな拍手でわいた。
今回は定員680人のところ、373件、754人から参加の申し込みがあり、抽選した。申し込みのうち約140人は県外からの申し込みで、トークショーが定着して年々、申し込みが増えている。