新潟県三条市出身の漫画家「はやしわか」さんが新潟の山際にある雪深い町を舞台にした漫画『銀のくに』の作品展が8日から来年1月15日まで日帰り温泉「いい湯らてい」(南五百川)で開かれている。

はやしわかさんは『しかたなしの極楽』で、2021年後期・第80回ちばてつや賞一般部門で準大賞を受けた若手漫画家。今回の作品展は『銀のくに』の複製原画17点と、『銀のくに』をはじめ、はやしわかさんの作品『変声』、『イエスタデイ・ワンス・モア』の一部をパネルにした試し読みパネル27点をロビーに展示している。
『銀のくに』は、2024年からことしにかけて配信サイト「コミプレ」で連載され、全3巻で完結している。作品に登場する舞台の町の名は「雨生町(まごいちょう)」。下田地区にある雨生ヶ池(まおいがいけ)を連想させる。

主人公の高校1年生の名前は「五十嵐風花(いからしふうか)」。「五十嵐」は全国的には「いがらし」と読むのが一般的だが、三条市など新潟県では、主人公と同じように濁らずに「いからし」と読ませることが多い。下田地区にある五十嵐神社は五十嵐姓の発祥の地ともされる。
作品に描かれた風景も下田地区と重なる場面が多く、三条市民なら共感をもって読み進めることができる。会場の「いい湯らてい」も下田地区にあり、温泉につかって作品に描かれた世界に思いをはせるのも一興だ。

三条市歴史民俗産業資料館別館「ほまれあ」では、ことし9月から10月にかけて同じ作品展を開いた。今回はその展示物をそっくり移して開催。ロビーでは、はやしわかさんのコミックスの販売も行っている。