ことしのシルバー川柳は「まだ元気 思う気持ちと 身体(からだ)別」。交通安全を川柳で楽しく呼びかけようと新潟県三条市で毎年行われている「交通安全三条シルバー川柳コンテスト」。第4回のことしは高齢者を中心に98句の応募があり、19日に授賞式が行われた。

応募は昨年の140句の7割にとどまった。11月19日に三条市の滝沢亮市長、三条署の中川健市署長、三条市交通安全協会の加藤敏敦会長が審査し、金賞1点、銀賞5点、銅賞10点を決めた。
金賞は三条市の渡辺哲さん(71)の作品「まだ元気 思う気持ちと 身体別」が受賞した。授賞式で渡辺さんは2年前、免許更新で三条市交通安全センターを訪れ、ロビーにシルバー川柳が張ってあるのを見た。

「わたしも少し頭をひねって考えてみようと思った矢先」に募集を知り、風呂場の中やベッドの中で川柳を考えた。車にばかり乗って足腰が弱ってきていることを自覚し、「自分はまだ元気だと思ってるけど体がついてこない。そういう状況ある」と我が身を重ねて川柳したとを話した。
滝沢市長は祝辞で、11月末でことしの交通事故件数は前年よりやや増えており、11月24日には高齢運転者がの死亡事故が発生したことにふれた。高齢者が当事者となる事故が多発しており、「残りことしも10日あまり、年末年始を全員が無事に過ごせるよう、私自身も含め交通安全に気をつけたい」と述べ、“冬至”に向かって歩行者とドライバー双方に早めのライト点灯や慎重な運転を求めた。

中川署長は、県内の交通事故死者数は減少傾向にあるものの、年間50人以上が交通事故で命を落としているとし、「道路を利用する一人ひとりの安全意識にかかっている」と強調。あらゆる場面で交通安全を話題にし、意識定着を図る必要があり、シルバー川柳については、「日々の交通安全の呼びかけの中で活用し、事故防止対策を推進していきたい」と述べた。
加藤会長は年々、レベルが上がっていると手応えを話し、市民川柳の公表をきっかけに市民の交通マナーを守る機運が高まることに期待。「1回受賞したから終わりではなく、来年もぜひ応募してほしい」と求めた。
受賞作品は今後、報道機関への提供や啓発物への掲載などを通じて広く市民に広報する。受賞作品は次の通り。敬称略。
| 賞 | 作品 | 氏名・ペンネーム |
|---|---|---|
| 金賞 1 |
まだ元気 思う気持ちと 身体別 | 渡辺 哲 |
| 銀賞 5 |
頼むから 隣でごちゃごちゃ 指示するな | 佐藤 隆司(紫式部) |
| 石頭 それでもかぶろう ヘルメット | 小川 弘子 | |
| 返納し バス停に咲く 恋の花 | 坂田 和夫 | |
| ダメらいね 飲んだら乗るナ 自転車も | 関野山 輝子 | |
| 返納し 愛車そのまま 孫が乗る | 坂井 久子 | |
| 銅賞 10 |
スマホより 前後左右の 確認を | 岡田 毅 |
| シートベルト 締める時から 全集中 | 宮島 敏明 | |
| 返納後 みるみる足腰 健康に | みずたまり | |
| 髪シルバー 入歯と免許は ゴールドよ! | 今井 成子 | |
| 待つ母に 土産はないが 無地帰る | 藤田 文子 | |
| 助手席に 生ナビが居て やかましい | 堀江 ユミ | |
| やっと止め 降りて見れば 斜め向き | どじえ | |
| サイドミラー 閉じたまま出て 何時気づく | 石井 紀子 | |
| 大丈夫 自分だけはと 思わない | 高井 彰 | |
| 陽は沈み 車のライト まだオフか | 金子 純一 |