23日召集の通常国会冒頭で衆院が解散し、1月27日公示、2月8日投開票の日程で衆院選が行われる見通しだ。その通りなら解散から投開票までわずか16日間。2021年の衆院選(17日間)や2024年(26日間)をさらに下回る戦後最短の超短期決戦となり、全国の市区町村の選挙管理委員会は非常事態ともいえる状況への対応に追われている。

三条市選挙管理委員会では、解散報道が流れた1月9日の夜からすぐ投票所の確保、ポスター掲示板の手配、入場券印刷などに着手した。14日に選管事務局を市役所第二庁舎の101会議室に引っ越した。担当者は「業者にも無理な日程をお願いしている。本当に非常事態」と率直に語る。
市内の投票所は51カ所、ポスター掲示場は366カ所。衆院はまだ解散していないが、待ちきれずに21日からポスター掲示板の設置を始めた。今週末までにすべての掲示板の設置を完了する予定だ。
とくに山手の下田地区での掲示板設置は雪の中での作業となり、除雪しながらの設置は業者の負担にもなる。
一方で、市民に直結する課題もある。入場券は期日前投票開始日の28日までに全戸配布が間に合わない見込みだ。ただ、入場券がなくても身分証があれば投票できるので、入場券がなくても投票してほしいと呼びかける。

さらに2月投開票の衆院選は36年ぶり。一部投票所では暖房設備がなく、ストーブやかいろの調達を進めているほか、開票当日の降雪による投票箱輸送の遅れも懸念材料だ。
加えて注意が必要なのが、最高裁判所裁判官国民審査。国民審査は解散から公示日までが4日以内の場合は、国民審査の期日前投票ができるのは投票日の7日前からという規定がある。
今回はその規定が適用になり、国民審査の期日前投票は2月1日からでないとできない。それ以前は期日前投票で投票できるのは、衆院選だけ。「知らずに来てしまう方が出ないよう周知したい」としている。
燕市選挙管理委員会も対応に追われている状況は同じだ。選管事務局は19日につばめホールに引っ越した。
市内の投票所は39カ所、ポスター掲示場は275カ所。燕市選管でも一刻も早く掲示板を設置したかったが、23日に解散が確定するのを待つことにした。解散したらすぐに着手するが、雪の状況しだいでは遅れも想定される。

ただ、市役所の入り口に掲げる衆院選を周知する懸垂幕は、すでに投票日の部分を「2月8日」と張っている。
最大の課題はやはり入場券だ。担当者は「ふだんは期日前投票が始まる前に入場券を届けるようにしているが今回は正直、難しい。2月2日ごろから5日間かけて順次、配送される見込み」。
期日前投票の序盤には多くの有権者の手元に入場券がない事態になるため、自治会長の協力を得て、入場券遅配を知らせるちらしを全戸配布を進めている。
燕市も投票所の寒さ対策で、ストーブやかいろを準備。ただし大雪時は「道路除雪が最優先となり、投票所周辺の除雪が間に合わない可能性もある」とし、投票日は職員が早朝から対応する覚悟だ。

燕市でも、国民審査は2月1日から投票可能となる。「担当者としても初めて経験するケース。説明が難しく、周知に苦労している」と語る。
両市に共通するのは、幸い投票所の確保に支障はなかったが、時間、雪、人手の確保という三重苦が重くのしかかる。
投票管理者や立会人の確保も通常の公募ができず、自治会長らを通じて直接、依頼を続けている。「市民にも不便をかけてしまうが、投票自体は必ずできる環境を整える」と、関係者の“選挙戦”はこれまでになく厳しい。