社会福祉法人浄勝会(海野知現理事長)が運営する新潟県燕市の水道町保育園(松延摩也子園長・園児77人)で7日、園舎の現地改築のため現園舎で最後となる卒園式が行われた。1979年(昭和54)の開園から47年間にわたる園児の思い出が詰まった園舎から最後の13人が小学校へと巣立った。

保育士が手作りしたコサージュを胸につけた園児が入場して開式。松延園長から園児一人ひとりに握手して保育証書を手渡した。
園児は席へ戻る前に保護者に向かい、「ご飯を作ってくれてありがとう」、「どこかに連れていってくれてありがとう」、「遊んでくれてありがとう」と感謝の言葉とともに保育証書を渡した。

園長は式辞で、民営化から2年目を迎えた同園が「新たな歩み」を進めるなかで、この園舎で卒園の日を迎えられた喜びを述べ、13人の成長の軌跡を振り返った。
園児はものづくりが大好きで、空き箱などさまざまな素材を使って発想豊かに作品づくりに取り組んだ。この1年は、興味や関心がさらに大きく広がった年でもあった。

昔の暮らしへの関心から縄文時代の生活や道具に思いをめぐらせ、新潟県立歴史博物館を訪問。さらに燕市の遺跡にふれたり、土器の模様づくりに挑戦したりし、「自分なりの問いを抱き、考え、確かめる時間が創造する喜びにつながった」。
もうひとつの大きな特色が、今年度から始めた海外の園児とのオンライン交流。英語を学ぶ前段階として、話したい気持ちを育てたいと、国際交流に取り組みんだ。

オンラインでインドやオーストラリア、スリランカ、フィンランドなど各国の子どもたちとつながり、歌やゲームを通じて交流。今回の卒園式でも顔写真も入った本格的なパスポートと水道町エアラインズの搭乗券を保育士が手作りして園児にプレゼントする趣向もあった。
松延園長は「人の気持ちを想像できる人でいてください。友だちと語り合うことを大切にしてください。そして自分の『やってみたい』という気持ちを信じ、いろんなことに挑戦してほしい」とはなむけの言葉を贈った。

来賓の佐野大輔燕市長は、自身も36年前に同じ場所で卒園した先輩と自己紹介した。「皆さんが元気に返事をして、お父さんやお母さんにありがとうと言っている姿を見て本当にうれしくなった」と目を細めた。
「40年以上、子どもたちを育ててくれたこの園舎に感謝したい」と述べ、自身の思いでも詰まった園舎の節目に立ち会えたことへの思いを語った。

式の終盤には園児たちが園舎への別れの言葉や歌を披露。最初から最後までずっと目を潤ませるお母さんも多かった。現園舎での卒園式は今回が最後。子どもたちは、ものづくりや探究、そして世界との出会いで育んだ好奇心を胸に、それぞれの小学校へ巣立っていく。
現園舎は週明け9日から解体工事が行われ、現地で新園舎を建設。来年2月には完成し、来年の卒園式は新園舎で行われる予定だ。