三条市立大学(アハメド・シャハリアル学長、新潟県三条市)の令和7年度卒業式が22日行われ、工学部技術・経営工学科に学んだ2期生67人が学びやを巣立った。式では学位記授与や学生表彰に加え、完成した校歌「革新の翼」を初めて斉唱。式後には三条市独自の「三条未来創造大使」任命式やハットトスも行われ、4年間をともに過ごした仲間と節目の日を喜び合った。

卒業生を代表して深澤奈央さんにシャハリアル学長から学位記を授与。学生表彰では、MIS(Most Innovative Student)に前田龍太朗さん、GWH(Graduate with Honors)に石月千雅さん、CUB(Contributor to University Branding)に小泉涼乃さんを選んだ。
シャハリアル学長は式辞で、卒業生を「大学の歴史そのものをともにつくり上げてくれた存在」とたたえた。創設間もない大学で学ぶことは、整った道を進むのではなく、自ら道を切り開くことだったと振り返った。

「未来は予測するものではなく、つくるもの。小さな地方都市からでも世界を変えられることをこれから皆さん自身が体現していく」と役割を託しつつ門出を祝った。
来賓祝辞で滝沢亮三条市長は、進学実績も就職実績もなかった開学翌年の4年前に三条市立大学を選んだ卒業生の決断に敬意を表し、「自分たちで歴史をつくっていくんだという挑戦が、まちにも後輩にも勇気を与えてくれた」と述べた。

そのうえで、産学連携実習や学園祭、地域活動などを通じて学生が“まちの一員”として活躍してきたことに感謝し、「自分を信じ、挑戦を続け、世の中を引っ張るリーダーとして活躍してほしい」とエールを送った。
兼古耕一三条商工会議所会頭は、大学設立時の検討にかかわった立場から卒業式に立ち会えたことに「深い感慨」を示した。

産学連携実習については、学生が知識や技能を身に付けただけでなく、受け入れ企業側も新鮮な気づきを得ることができ、「互いに高め合える好循環こそが本学の学びの価値を高め、地域の持続可能性を高める」と話した。
卒業生代表の吉田亜美さんは謝辞で、入学した2022年当時は、コロナ禍の影響でまださまざまな制限が残っていたと振り返り、「新しい大学の歴史の中で学ぶことができたのは大きな誇り」と語った。

県内外から集まった仲間と価値観の違いにふれ、課題に取り組み、企業や地域と関わる学びを重ねた4年間に感謝し、「自分の選んだ道に誇りをもち、社会に貢献できるよう努力を続けていきたい」と述べた。
最後は初めての校歌斉唱。三条市出身のシンガー・ソングライター佐藤ひらりさんが作詞、作曲し、ことし2月に完成したばかりの校歌「革新の翼」を初披露した。

(一社)高波龍風記念財団(高波久雄代表理事・三条市)の資金提供を受けて制作され、学生との交流や製造現場の見学を通じて大学や燕三条のものづくり精神を歌に込めた。会場では佐藤さんも加わって斉唱し、大学の新たな1ページを刻んだ。
閉式後は昨年に続いて卒業生を三条未来創造大使に任命するセレモニーも行った。滝沢市長は、前に進んでほしい、物事を深掘りしてほしいという思いを込めた。この地域での暮らしや大学のことを、これから出会う人たちに気軽に話してもらえたら」と期待し、卒業生代表の今井愛樹さんに任命状を手渡した。

さらに、恒例のハットトスで、卒業生はいっせいに角帽を宙に放った。厳かな式典から一転して卒業の喜びを全身で表現。にぎやかな空気に包まれ、学びやでの最後の時間をかみしめていた。
卒業生の進路の内定状況は、卒業予定者67人のうち就職希望者は61人で、就職内定率は100%。内訳は県内就職予定者31人、このうち燕三条地域への就職予定者は13人、県外就職予定者30人。進学予定者は6人だった。

県内就職は昨年の26人より4人増えてた。地域に根差した実践的な学びを掲げる三条市立大学の卒業生が、地元と全国それぞれの舞台へ踏み出した。