4月19日投開票の任期満了に伴う三条市議選に向けて三条市公明党議員団(燕幸男団長)は26日、三条市内で記者会見し、市議を5期20年務めた笹川信子氏(71)の後継で新人の阿部育子氏(59)=猪子場新田=と2期目を目指す現職の燕幸男氏(58)=三竹2=の立候補を正式に発表した。

会見の冒頭、笹川氏は「これまで20年間応援していただいたすべての方、市長や市職員の皆さま方に心からお礼申し上げる。私のできることは、すべてやり切ったという感じ」とあいさつした。
後継の阿部氏については、「介護、とくに地域で活動してきた人。少子高齢化がいっそう進む三条市で、これまで培ってきた知識と経験を発揮してもらえると期待している」と述べた。

新人で立候補する阿部氏は燕市桜町生まれで燕中、巻高、千葉労災看護専門学校を卒業後、燕労災病院や石黒病院に勤務。1994年から昨年末まで済生会三条病院に勤務した。
退職までの23年間は訪問看護に従事し、このうち約12年間は済生会三条訪問看護ステーションの管理者も務めた訪問看護のスペシャリストだ。
阿部氏は会見で、訪問看護の現場で地域の多くの人と関わってきた経験を踏まえ、「安全・安心な暮らし、安全・安心なサービス提供が破たんすることなく、持続可能なものにしていかなければならない」と話した。医療、介護、福祉の分野を中心に、利用者側と提供側の双方の課題を市政に届ける。
三条市地域包括ケア推進会議の委員や認知症初期集中支援チームの一員として、地域包括ケアシステムの推進にもかかわった。「医療・介護・福祉の問題は、子どもから高齢者まですべての人にかかわる問題。やりがいと生きがいがあふれる三条市、ひとりの声が届く三条市を目指したい」と決意を述べた。
議員になったら真っ先に取り組みたい課題を問われると、「介護や障害の分野で接してきたので、そうした部分の困りごとを中心に聞いていきたい」としたうえで、「介護事業所など提供する側の困りごとも、しっかり聞いていきたい」と話した。

出馬を決意した理由については、「会議の中で、ひとりの声が埋もれてしまうこともあると感じてきた。大事な意見をしっかり拾い上げ、訴えていくことは大事だと常々、感じていた」とし、「迷いもあったが、今まで感じてきたことを実現する機会になると考え、決意した」と述べた。
一方、現職の燕氏は、2022年に初当選してからの4年間を「現場へ足を運び、皆さまの声に耳を傾け、一人ひとりの幸せと希望あふれる未来のために走り続けてきた」と振り返った。
実績として、JR信越本線を横断する牛ケ島踏切の拡幅開通や、おくやみコーナーの設置、市内企業で働くUターン者などを対象とした奨学金返還支援制度の実現をあげ、「多くの皆さまの声を形にすることができた」と自負した。
2期目に向けては「3つの挑戦」を掲げた。(1)伝統ある技術や産業、農業の誇りを未来につなぐ産業活性化、(2)地震や豪雨、豪雪に備える防災・減災対策の強化、(3)「誰一人置き去りにしない社会」の実現。少子高齢化や公共インフラ、産業の空洞化など複雑化する課題に向き合い、市民の声を市政に届けていく姿勢を示した。

また燕氏は、自身が子どもの不登校や母親の介護を経験したことにもふれ、「市民お一人おひとりの声には、生活の重みや未来への願いが込められている。その願いを決して無駄にはしない」と訴えた。
選挙運動については、両氏ともに大規模集会中心ではなく、対話重視で進め、燕氏は「しっかり思いを語りながら拡大に努めている」、阿部氏も「悩みや困りごとをしっかり聞いていきたい」と話した。
三条市公明党議員団は、現職1人、新人1人の2人態勢で議席確保を目指す一方、笹川市議の勇退で世代交代の局面。20年の議員活動に区切りをつける笹川市議の後継として、訪問看護の現場経験を持つ阿部氏がどこまで浸透を図れるか、2期目に挑む燕氏が1期4年の実績をどう訴えるか注目される。