年度初めの1日、新潟県三条市は新規採用職員辞令交付式を行い、23人が市職員や消防職員としての一歩を踏み出した。滝沢亮市長は「市民の前ではプロフェッショナルであってほしい」と訓示し、地域の情報に自ら目を通しながら、市民に誠実に向き合うよう求めた。

新規採用は例年並みの23人で、内訳は中途採用4人、大卒10人、高卒2人、保育士2人、消防4人、保健師1人。
式では、新規採用職員を代表して三条市出身で帝京大学を卒業、総務部行政課庶務係に主事として配属される古川倖之介さん(22)が服務の宣誓を行い、「主権が国民に存することを認める日本国憲法を尊重し、かつ擁護することを固く誓います」と述べ、全体の奉仕者として誠実かつ公正に職務を執行することを誓った。
滝沢亮市長は新規採用職員一人ひとりに辞令書を読み上げ、「一緒に頑張りましょう」と添えて辞令書を手渡した。動作に見てとれるほどがちがちに緊張している新規採用職員も多かった。
滝沢市長はあいさつで、「皆さんと一緒に働けること、そして皆さんと一緒に三条市をつくっていけること、さらに発展させていくことができることを、私をはじめ副市長、教育長、部長を含めた全職員が楽しみにしていた。本当にようこそ三条市役所へ」と歓迎した。

この日は議会の臨時会が午前中に開かれたため、例年は朝に行う辞令交付式を午後に開催したことにもふれた。臨時会では全会一致で就任が決まった新しい高橋誠一郎副市長、熊倉隆司教育長も参列。「いつもと少し雰囲気が違い、例年よりも緊張感があるのではないか」と新規採用職員に気遣った。
「同じ縁があって同じ日に三条市役所に入った仲間として、協力しながら、時には切磋琢磨しながら一緒に成長していってほしい」と激励した。
仕事の進め方や市役所の仕組み、三条市そのものについても、まだ十分に知らなくても「われわれも織り込み済み」。必要以上に萎縮せず積極的に学ぶ姿勢を求めた。
「間違わないよう慎重になりすぎて仕事が遅くなるくらいなら、同僚や先輩に気兼ねなく、遠慮なく聞いてほしい」と、ひとりで抱え込まず周囲を頼ることが大切だとした。

質問の仕方についても「ただ、どうですか、ああですか、と聞くのではなく、自分はこう考える、こう進めたほうがいいと思うがどうか、という聞き方をしてほしい」と述べ、自分なりの仮説や考えを持って相談することが、社会人としても市職員としても成長の速度を大きく左右すると指摘。受け身ではなく、自ら考えながら学ぶ姿勢が重要だというメッセージを送った。
市民対応に臨む際の心構えについては、「皆さんも市民から見れば、きょうから三条市役所の職員の一員。新人だと分かる印があるわけではない」。市役所の外に出れば一人ひとりが三条市役所を代表する存在になり、「市民の前ではプロフェッショナルであってほしい」と求めた。
それは何も最初から完璧を求めているわけではない。「わからないのであれば、わかる人につなぐ、上司に確認する、担当につなぐという対応をしてほしい」。

あいまいなまま受け流したり、その場しのぎで答えたりするのではなく、職業人として責任ある応対をすることが市民の信頼につながると説いた。「社会人として、そして三条市役所の職員の一員としての自覚を持って対応してほしい」と繰り返した。
地域の情報をどうつかむかも大切。スマートフォンやパソコンで情報を得ることが当たり前の「デジタルネイティブ世代」であることに理解を示しつつ、「市民の多くは地元の新聞や地元のテレビを見ている」と指摘。「そうした昔からあるメディアにも、しっかり目を通した上で仕事に臨んでほしい」と求めた。
「市民が『新聞に載っていた』『ニュースで言っていた』と話しているのに、自分は知らないままコミュニケーションするのは、職業人としての自覚が足りない」と踏み込み、地域の出来事を把握しておくことは市役所職員としての基本姿勢だと強調した。

「自分で新聞を購読することもそうだし、市役所に少し早く来て新聞を読むことでもいい。地元のこと、地元の知識を得たうえで、市民のやいろいろな人とコミュニケーションを取ってほしい」と語り、住民との信頼関係を築くためにも、地域を見る目を養うよう促した。
最後には、「良い仕事をするにあたっては、何よりも心と体の健康が大前提」。新生活の始まりでひとり暮らしを始める人もいるかもしれず、体調管理の重要性を説いた。
仕事だけでなく、自分自身の生活を整えることも社会人としての責任の一つだとし、「一緒に成長していきましょう」と呼びかけて締めくくった。