新潟加茂市の五十嵐裕幸副市長は2日、入院中の藤田明美に代わって初めて定例記者会見を行った。公共施設再編アクションプランの策定や2026年4月の中学校統合に向けた準備状況、第60回雪椿まつりの開催など8項目を発表した。「アクションプラン策定はゴールではなくスタート」と述べ、公共施設再編や学校再編を着実に進める考えを示した。

会見の冒頭、総務課長は市長の病状について、3月16日に一般病棟へ移り、その後は順調に回復していると説明した。一方で入院期間や退院時期は未定で、今後、報告できる段階になれば改めて知らせるとした。
この日の会見で中心的なテーマとなったのが、加茂市公共施設再編アクションプランの策定だ。市は令和23年度から2年をかけて案をまとめ、25年度には行政区や関係団体などを対象に説明会を重ねてきた。
昨年3月にまとまった案をもとに、市長が約1年間かけて市内103カ所を回って説明し、その場で出た意見や疑問を反映して今年3月の策定に至った。
アクションプランは本編240ページに及び、市ホームページで本編と概要版を公開するほか、市内13カ所の公共施設に配置する。

市内小中学校には本編を配布し、概要版は学習用教材として貸し出す予定。行政区や団体向けの貸し出しにも対応する。「策定は手段であって目的ではない。持続可能な未来の実現に向けたスタートだ」。
説明会で住民理解が得られたかを問う質問に対しては、担当課が「否定的な意見はほとんどなく、むしろもっと早く進めてほしいという声もあった」、五十嵐副市長も「今後20年間の計画だが、完成品ではなく、時代の流れや財政効果を検証しながら見直していくもの」と述べた。
中学校統合準備では、統合先となる現若宮中学校の全体整備計画を3月に策定した。統合による生徒数増に対応するため、普通教室や特別支援学級教室を必要数確保し、教職員増に合わせて職員室も拡張する。
トイレの洋式化、FF暖房機の更新、体育館への空調設備設置も進める方針で、体育館の空調には非常用電源機能を備えた機器を採用し、災害時の避難所機能の強化も図る。
外構面では、登下校時にスクールバスが集中することを見込み、新たにロータリーを整備するほか、教職員や保護者ら来校者向け駐車場も整える。校門も拡幅し、緊急車両の出入りにも支障が出ないようにする。
さらに近年のクマ出没を踏まえ、AIカメラや侵入防止柵の設置も盛り込んだ。概算事業費は約5億8,000万円で、今年度に実施設計、27、28年度に工事を行う。設計や財源確保の状況によっては、一部工事の前倒し実施も検討する。
あわせて、(仮称)加茂市給食センターの新設も進める。建設予定地は加茂市千刈の旧県営住宅跡地で、今年度第1四半期に基本計画を策定し、設計、工事を経て30年度の供用開始を目指す。
供用開始時には統合中学校1校と統合小学校2校へ給食を提供する体制を整え、調理能力は1日最大1,150食を見込む。この1,150食は20年度時点の児童生徒数や教職員数を試算したうえで算出したもので、その時点が最大規模になる見通しも示した。
施設にはアレルギー対応食の専用調理室を設けるほか、米飯給食にも対応。見学エリアも整備し、食育の場としても活用できる施設を目指す。概算事業費は約20億6,000万円。整備・運営手法については現在サウンディング調査を進めており、その結果を踏まえて基本計画策定時に最適な手法を示す。
統合中学校の校歌と校章づくりも動き出す。校歌の作詞、作曲、編曲は、加茂市出身の音楽家・悠木昭宏さんに依頼する。悠木さんはNHKテレビ「おかあさんといっしょ」や「ピタゴラスイッチ」などで数多くの楽曲を手がけ、加茂小、加茂中、加茂高の卒業生でもある。年内の完成を見込み、その後、吹奏楽用スコアの制作も進める。
校章は4月16日から5月14日まで一般公募する。応募資格に制限はなく、市内外を問わず誰でも応募できる。教育委員会で5案ていどに絞り込み、市内の児童生徒による投票を7月上旬に行い、最も得票数の多かったデザインを正式採用する。
まちなか観光の拠点整備としては、穀町商店街にある加茂土産物センター・インフォメーションセンターが2日午前10時にリニューアルオープンした。加茂市観光協会が運営する。

これまで5年間親しまれてきた「BBC-Kamo Miyagemono Center-」は指定管理期間満了で3月1日に営業を終えていたが、新たに加茂市観光協会が運営を担う。
営業時間は午前10時から午後5時で、火、水曜と年末年始は休館。今後は観光案内や土産物販売、情報発信を担う中心施設として活用していく。
有害鳥獣対策では、「加茂市不要果樹伐採事業費補助金」を創設した。サルやクマを引き寄せる要因となる柿や栗などの果樹を伐採する費用を補助する。対象は市内在住者か行政区長。民家からおおむね50メートル以内にあり、直径20センチ以上の柿や栗などが対象となる。
対象地域は、これまで出没があった地域に加え、今後、市街地へ出る可能性も考慮し、おおむね信越線より上流側を想定している。
伐採は事業者への委託が条件で、個人による伐採は補助対象外。補助額は対象経費の2分の1以内、1戸当たり上限5万円。予算額は100万円、最大20件の利用を見込む。
申請は4月15日ごろ開始予定だが、事前に現地確認を行ったうえで交付の可否を決定する。受け付はけ11月13日までだが、予算に達ししだい終了する。
健康づくりでは、6年目を迎える「かも健康ポイント事業」の新規参加者200人を募集する。現在、約1,350人が参加しており、専用歩数計を身に着け、市内14カ所の専用端末「かざすくん」にかざすことで、歩数などに応じたポイントが付与される。
特定健診や健康講座への参加でもポイントを得ることができ、たまったポイントは商品券や健康グッズと交換できる。対象は20歳以上の市内在住者で、市は日常の「歩く」を通じた無理のない健康づくりへの参加を呼びかけている。
食と観光の話題では、一風堂を運営する力の源ホールディングスと、加茂七谷温泉美人の湯の指定管理者「合同会社加茂人」が共同開発した「愛KAMOらーめん」が4月1日、美人の湯2階の「ななたに食堂」で提供を始めた。
鴨(カモ)から引き出した濃厚なだしに新潟県産しょうゆ4種を合わせ、100%国産小麦に全粒粉を練り込んだ極太麺を使用。鴨のローストや加茂産ネギを添えた一杯で、2月末から3月初めに東京で開いたお披露目イベントや、3月29日の美人の湯での関係者向け披露でも好評だった。
第60回雪椿まつりは4日から19日まで開かれる。初日の4日は、青海神社拝殿で午前10時から献花祭、午後6時から神事を行う。献花祭で生けられた花とともに、ライトアップされた拝殿で神事を営むのは今回が初めて。神事で行われる真剣による演舞奉納も見どころとなる。

メインとなる11日は、友好都市・東京都大島町の坂上長一町長らを迎え、午前11時から青海神社赤鳥居前の特設ステージでオープニングセレモニーを行う。
加茂市出身のメゾソプラノ歌手・押見朋子さんのミニコンサートをはじめ、キッズダンス、民謡、カモレンジャーショーなどのステージイベントを予定。宮大門周辺では「ゆきつばきマルシェ」、新潟経営大学の学生ブース、自衛隊や警察車両の展示、木工体験ブースなども展開する。
今回は国道289号八十里越道路の令和9年夏の暫定開通を見据え、福島県只見町、南会津町、三条市にもPRブースを出展してもらい、県境を越えた交流促進も図る。午後4時30分からは鴨山公園池ノ端で後夜祭を開き、明かりの中で酒や創意工夫を凝らした料理を楽しめる催しとする。
11日は午前7時から午後6時まで会場周辺で臨時交通規制を行い、市役所と会場を結ぶ無料シャトルバスも運行する。
雨天時はステージイベントとマルシェを市民体育館で開催し、後夜祭は中止。開催形態は10日午後3時までに特設サイトや市ホームページ、SNSで知らせる。
このほか期間中は、鴨山トレジャーハンティングや雪椿杯争奪加茂市近郊家庭婦人バレーボール大会、加茂ウェルネスウォーク&ポールウォーキングなども予定している。
また、2026「二十歳を祝う会」は5月3日午後1時半から加茂文化会館大ホールで開く。対象は2005年4月2日から2006年4月1日生まれの227人。4月上旬に案内状を発送する。
以前、加茂市に住んでいた人も出席でき、式典後には学校区ごとに集合写真を撮影する。家族の見学も可能としている。