金属加工の集積地、新潟県燕三条地域からイノベーティブ・テクノロジストを輩出する三条市立大学(アハメド・シャハリアル学長)は3日、2026年度入学式を行い、第6期生80人が新たな学生生活の第一歩を踏み出した。今春の入学者は昨年度より14人少ない80人で、女子は11人。県内出身者47人、県外出身者33人で、このうち燕三条地域出身者は8人だった。

三条市立大学は、燕三条地域の産業の持続的な発展のため、次世代のリーダーを育成するために5年前に生まれた大学。工学部技術マネジメント工学科の単一学部、単一学科で地域をキャンパスに地元で産学官連携実習などユニークな教育体制をとっている。
今年度の入学者の内訳は、総合型選抜10人、学校推薦型選抜が市内1人、工業系2人、一般選抜が前期50人、中期17人。総合型選抜や推薦を含めた全体の志願者数は533人で、定員80人に対する志願倍率は6.7倍。前年度の7.5倍を下回ったものの、引き続き高い水準を維持した。

入学式は桜ほころぶ春の青空に恵まれた。夫婦で訪れる人もあり、入学式では新入生より保護者の数の方が多く、着物の人もいて晴れやかだった。
シャハリアル学長は式辞で、「皆さんは三条市立大学という新しい学びの場に、その第一歩を踏み出した。この一歩は単なる進学ではなく、自らの未来をつくり出す敬意ある選択であり、社会に価値を生み出す人生への出発」と歓迎した。

そのうえで、三条市立大学は「300年以上にわたり金属加工を中心とした技術と精神を受け継いできた燕三条地域の現場を学びに変える大学」。「育てたいのはイノベーティブ・テクノロジスト。課題を見つけ、本質を見抜き、技術を用いて解決し、社会に実装できる人材」と話した。
新入生に向けては、好奇心を持ち続けること、挑戦を恐れないこと、仲間とともに成長することの3つを求めた。「未来は革新的に挑戦する者のもの。どうか自らの可能性を信じ、この三条の力を世界へと羽ばたかせてほしい」とエールを送った。
燕三条地域については「300年以上の歴史を持つものづくりの集積地」と認識し、「産学連携実習や、工学部でありながらマネジメントなどについて学べるカリキュラムなど、三条市立大学ならではの学びが詰まった4年間に胸が躍る」と決意を語った。
来賓祝辞では滝沢亮三条市長は、「ようこそ三条市立大学へ、ようこそ三条市へ」と新入生を歓迎した。10日ほど前に出席した第2期生の卒業式にふれ、「卒業生は全員が自信にあふれ、次のステップへの期待に満ちていた」と紹介し、「皆さんも4年間、挑戦を続ければ、桜の花が満開になるように、卒業の時には満開になって次のステップへ進める」と励ました。

また、「三条市立大学の学びのステージはこの建物だけではない。三条市全体、地域全体、新潟県全体を積極的に走り回って成長の速度を早めてほしい」と呼びかけた。
佐野大輔燕市長も来賓として出席し、祝辞を述べた。第1回の入学式は近隣市町村長にも来賓として出席を案内したが、それ以降は三条市長を招いた。
今回、広域の地域との結び付きをより意識していこうと昨年秋に新市長が誕生したタイミングでもあり、佐野市長を来賓に迎えた。

佐野市長は「ものづくりのまち燕市の原動力は、多様な専門技術をもつ企業同士の横のつながり」とし、「学生生活も知識を深め自分を磨く場であると同時に、仲間たちとの横のつながりを築く貴重な機会」と意義を話した。
「地域のみならず広く社会に貢献できる人材を目指して研さんに励んでほしい」と期待。途中では燕市産業史料館もPRし、会場の笑いを誘った。
入学式後は黒田浩司後援会長のあいさつがあり、エントランスの階段、アカデミーストップに新入生が並んで記念撮影も行った。
今年の入学生80人のうち、県外出身者は33人に上り、相変わらず全国区の大学だ。宣誓を行った赤木さんは、シャハリアル学長が猶興館高校で行った講演をきっかけに進学を決めたと言う。
「もともとものづくりに興味があった。地域の企業と実習したりできるので、将来にも役立つと思って選んだ」と話した。大学の印象については「すごくきれい」と笑顔で期待を膨らませていた。
シャハリアル学長は、各地の高校に足を運んで大学の魅力を直接伝える活動を続けている。「歴史の浅い大学だからこそ、知ってもらうためにはそれしかない。いちばん説得力があるのは自分で話すこと」と話した。
赤木さん以外にも講演を聞いた高校生が入学につながる例もあり、学生獲得の地道なトップセールスが学生確保に結び付いている。