新潟県加茂市の日帰り温泉「加茂七谷温泉 美人の湯」に「一風堂」と共同開発した新メニュー「愛KAMOらーめん」が登場し、4月から館内の「ななたに食堂」で提供している。博多発祥の人気ラーメン店、一風堂が手がけた加茂発の新ご当地ラーメンで、加茂の新たな観光コンテンツとして期待される。

加茂市にかけて鴨をテーマにしたラーメンで、スープは鴨(カモ)だし百パーセント。濃厚な鴨だしに新潟県産の濃い口しょうゆ4種をブレンドした。国産小麦に全粒粉を練り込んだ極太麺を使用。一般的な高加水麺の水準を上回る45〜48%ほどの加水率に仕上げ、弾力が強いぷるぷるとした独特の食感が特徴的だ。
具材は鴨ローストに加茂産や新潟産のネギ、スダチ、シュンギク、メンマなど。焼きネギの香ばしさや、スダチのさわやかさ、山椒による味変も楽しめる。1,000円。

地域商社の(株)ブリッジにいがた(新潟市中央区)が架け橋となって全国的ブランドのラーメン店との連携が実現した。昨年3月に佐渡汽船で一風堂と共同開発した「佐渡 濃厚海老ラーメン」、ことし1月には田上町の「道の駅 たがみ」でやはり一風堂との共同開発で「護摩堂野菜ベジラーメン」が誕生した。
「愛KAMOらーめん」は、それに続く一風堂とのコラボラーメン第3弾。販売開始に先立って関係者を集めたお披露目会が開かれた。
冒頭、「美人の湯」を運営する合同会社加茂人(加茂市)の佐藤晃一代表社員は、同社が美人の湯の運営を担ってこれまで5年間で、バーベキュー事業や屋外サウナなどにも取り組みながら、市内外に施設の魅力を発信してきたと言い、「加茂の観光の要となる施設を目指してきた」と振り返った。

開発のきっかけは昨年夏。ブリッジにいがたから提案を受けて即決した。一風堂側から「加茂の特産品は何か」と問われ、洋ナシのル レクチエも頭をよぎったが、ラーメンの具材としては難しく、「加茂を愛する気持ち」と「鴨」を重ねた「愛KAMO」の発想にたどり着いたことを話した。
ブリッジにいがたの小柳徹社長は、一風堂が各地の地域食材を生かしたラーメン開発プロジェクトを全国で進めていると説明した。「このラーメンは商品というより作品だと思っている」と述べ、「佐藤社長の加茂を愛する思いと、一風堂のすさまじい開発力が融合した」と評価した。

佐渡の事例では、両津港限定のラーメンが半年で1万食を達成したことを紹介。「愛KAMOらーめんも皆さんの力で育ててもらい、加茂の交流人口拡大、観光コンテンツのひとつになってほしい」と願った。
一風堂商品開発グループの林賢太郎さんは、鴨でだしを取っても印象がどうしても鶏(とり)ラーメンに寄ってしまい、「これは鶏だよね」と何度も言われ、苦戦したことを話した。

そば店などをリサーチし、鴨南蛮のつけだれにある甘みに着目。「その甘さが鴨そのものの味ではないが、みんなが思う“鴨の味”につながる」と気づき、甘みを生かした設計に組み直した。
その結果、口にした瞬間に「これは鴨だ」と感じやすい、鴨南蛮を思わせる一杯に仕上げた。しょうゆは新潟県産4種類を使い、甘さとうま味、しょうゆ本来の輪郭を引き出した。
来賓の国定勇人衆院議員は、自身のSNSは「ほぼ100%ラーメン」と話すほど自他共に認めるラーメン好きで、ラーメン文化振興議員連盟のメンバー。一風堂は東京初出店の恵比寿店が出店したころから通っていると打ち開けた。

ラーメンの盛りつけの見た目の完成度「丼顔(どんがん)」に「これは確実においしいと思った」。そのうえで「加茂を誇るご当地ラーメンにまで成長してほしい」と期待した。
試食では、ひと口すすって「おいしい。言ってる意味が分かった」と納得。鴨ローストは「もっと甘いかと思ったらそんなことない」と、甘みが前に出過ぎず、バランスよくまとまっている点を評価した。

とくに印象的だったのが麺の食感。「ブルンブルン」と独特の表現で「この麺が鴨肉と相性がばっちり」と強調。スープは「脂もうまくて、本当においしい」と堪能した。
鴨だしの濃厚なうまみに甘みを重ね、高加水麺の強い食感でまとめた一杯。試食した関係者は「本当においしいよ」と繰り返し、商品としての完成度の高さをうかがわせた。鴨の個性をしっかり打ち出しながらも食べやすさを両立した味わいが、強い印象を残していた。
問い合わせは「美人の湯」(0256-41-4122)。