新潟県三条市に本社を置く調理器具・アウトドア用品メーカー、パール金属(株)の創業者でパールホールディングス(株)の高波久雄代表が代表理事を務める一般財団法人高波龍風記念財団は3日、三条市立大学(アハメド・シャハリアル学長)の学生40人を2026年度高波龍風奨学金の奨学生に認定した。

返済不要で1人年額48万円
高波さんは3億円の私財を原資に、自身の書道の雅号「龍風」を冠した財団を設立。2022年度から毎年、三条市立大学の学生を対象に、各学年10人、計40人に1人当たり月額4万円、年額48万円の返済不要の奨学金を給付している。
午後2時から三条市立大学で認定式が行われ、高波さんから各学年代表の奨学生に認定証を手渡した。
高波さんは、会社を興してから60年間にわたって事業を続けてきたことに触れ、若いころから多くの人に支えられてきたと振り返った。しかし、恩返しをしたいと思っても、すでに亡くなったり、所在がわからなくなったりした人も多いことから、次の世代へ恩をつなぐ「恩送り」として奨学金を始めたと説明した。

学生に対して「私立大学の4年間をどう過ごすかが人生の勝負になる。今が皆さんの勝負の時」と呼びかけ、「一生懸命に勉強し、健康に留意して、地域社会に貢献できるよう頑張っていただきたい」と激励した。
大学院で風の流れを研究
奨学生を代表して2人を礼を述べた。1人は来春の大学院進学を予定する4年生。大学院では数値流体解析を使った風力に関するシミュレーション技術を研究する。奨学金を学費や研究に必要な専門書、資料の購入に活用すると述べた。
「経済的な不安を軽減し、学業と研究によりいっそう集中できる環境を整えることができる」と感謝し、「将来は研究を通じて得た知識や経験を社会に還元し、航空分野の発展に貢献できる技術者、研究者になりたい」と決意を述べた。

もうひとりは将来、電気にかかわる技術者として社会に貢献することを目指している。国家資格の第三種電気主任技術者は前年度に3科目に合格し、第二種電気工事士の資格も取得した。
奨学金は教材の購入費や受験料、生活費の一部に活用している。ことしから始まるメンター制度では、自身が学んだ知識や資格取得の経験を1年生に伝え、「自分が苦労した点や理解するための工夫を共有し、少しでも後輩の力になりたい」と話した。
金銭ではなく社会への貢献で返す
シャハリアル学長は、同大学が開学して6年目を迎え、奨学生の認定は5期目になるとして、継続的な支援に感謝した。

返済不要の給付型奨学金について「お金という形で返さなくてもいいという意味だと思う」が、学生は日本の未来をつくる存在だとして、「将来、金銭ではない別の形で社会に還元していかなければならない」と役割を求めた。
専門性だけでなく、ひとりの人間として社会に対する責任を意識するよう求め、「大学で学術的にも人間的にも成長し、恩をどのように社会へ返すのかを考え、立派な大人になってほしい」と期待した。
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