新潟県燕市大曲の燕市産業史料館で26日、佐渡を代表する伝統芸能「鬼太鼓(おんでこ)」の実演が行われた。佐渡出身者らを中心に結成された佐渡伝統芸能集団「越佐(えっさ)」が出演し、勇壮な太鼓の響きに合わせて鬼が激しく舞い、来館者を佐渡の祭りの世界へ引き込んだ。

27日まで同館で開かれている企画展「燕~八十里越~佐渡 産業・工芸・文化展」の関連イベントとして午後2時と3時の2回、屋外交流広場で行われた。
邪気を払い、五穀豊穣や家内安全を願う
鬼太鼓は佐渡島の多くの祭礼で受け継がれている伝統芸能。鬼が太鼓に合わせて舞い、集落の家々を回って邪気を払い、五穀豊穣や大漁、家内安全などを願う。
佐渡島内には約120地域の鬼太鼓があるとされ、「豆まき流」「一足流」「前浜流」「花笠流」「潟上流」の大きく5つの系統に分けられ、越佐は「潟上流」がベース。それぞれの地域で太鼓のリズムや鬼の舞、笛や獅子の有無などが異なり、同じ鬼太鼓は一つとしてないともいわれる。
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実演した越佐のメンバーは小学生以上の11人。鬼太鼓が本来、地域の祭りで家々を回りながら厄を払い、人々の健康や豊作を願ってきた芸能であることを紹介し、「皆さんのもとにいい気を届けたい」と呼び掛けた。
2回目の演舞には約50人が来場した。太鼓が鳴り始めると2匹の鬼が腰まである長い髪を振り上げて舞った。茶色の髪の鬼は邪気を払い、白い髪の鬼は太鼓で清められた気を届ける。
太鼓の音にたきつけられたように腰を低く落としたり、大きく踏み込んだり、時に背中にある太鼓をたたくなど激しく舞った。聴衆に近づいて文字通りの鬼の形相であおるようなしぐさもあり、大泣きする子どももいた。

佐渡出身者らが2018年に結成、現在は40人弱
越佐は2018年に結成。代表の曽我学さん(43)ら佐渡出身者数人で活動を始め、その後、「鬼太鼓をやりたい」という人たちが加わり、現在は40人弱が所属する。
メンバーは佐渡出身者に限らず、小学生から大人まで幅広い。主に新潟市秋葉区や東区を中心に練習し、出演機会は年間約25回を数える。新潟市周辺だけでなく、東京や大阪など県外に出向いて演舞を披露することもある。
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越佐の鬼太鼓は、佐渡の特定の一地区の型をそのまま再現するのではなく、曽我さんらが佐渡各地の鬼太鼓を取り入れて構成した。これまで燕市で披露したことはなく、曽我さんは「こちらの人は鬼太鼓を見る機会がなかなかない。こういうところで見てもらって、佐渡へ行こうと思うきっかけのひとつになれば」と話した。

同館の企画展「燕~八十里越~佐渡 産業・工芸・文化展」は、世界文化遺産「佐渡島の金山」と、2027年夏の開通が予定されている国道289号八十里越にちなみ、燕、会津・仙台、佐渡を産業や工芸、文化のつながりから紹介している。27日(日)まで。
また27日は、燕市国上の「道の駅SORAIRO国上」周辺で開かれる「第21回 越後くがみ山酒呑童子行列」で、午後0時半から越佐のステージがあり、佐渡グルメの出店もある。
