新潟県燕市の(株)ツインバード(野水重明代表取締役社長)は31日、株(株)ジャパネットホールディングス(長崎県佐世保市・高田旭人代表取締役社長兼CEO)が予定する同社株式への公開買付け(TOB)に反対することを取締役全員の一致で決めた。量販店との取引縮小や従業員の離職、燕三条地域のサプライチェーンへの影響などを懸念。独自の中期経営計画を進める方が企業価値向上につながると判断した。
ジャパネットは6月19日、ツインバードを完全子会社化するため、1株800円でTOBを行う予定と発表した。ツインバードは社外取締役3人で構成する特別委員会を設置し、6月3日から8月31日まで18回にわたって提案を検討した。
量販店売上で約23億円減の可能性
反対理由のひとつが量販店との取引への影響だ。ジャパネットの発表後、複数の量販店から、完全子会社化された場合には従来通りの取引が難しくなるなどの意向が示されたという。
ツインバードは、取引停止や縮小によって2027年2月期に量販チャネルで見込む売上高約33億3000万円のうち約23億円、中期経営計画の5年間では累計約87億円の売上高を失う可能性があると試算した。
また、ツインバードが強みとする「多品種小ロット・高付加価値」のものづくりに対し、ジャパネットはPB商品を1商品当たり年間30万〜50万台販売する構想を提示。大量生産への対応によって、成長分野と位置付けるB2B事業などへの経営資源の投入が遅れる可能性があるとした。
燕三条の取引先約30社への影響も
地域経済への影響も反対理由に挙げた。ツインバードは燕三条地域やその近隣に約30社の委託先、調達先があり、企画・開発段階から地域企業と連携してきた。
ジャパネットの大量生産・大量販売型のビジネスモデルへ転換すれば、地域のサプライチェーンを少なくとも一時的に「破壊し、再構築することが不可避」とし、長年、築いてきた取引慣行や信頼関係が失われる可能性があるとした。
一方、ジャパネットはTOBへの賛同と成立を条件に、全自動コーヒーメーカー10万台、単機能電子レンジ5万台を含む合計約30億円の商品を発注する予定を示した。しかし、発注や納入の時期などが具体化されていないことから、ツインバードは効果を十分に検証できないと判断した。
ツインバードは今後、FPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)をはじめとするB2B事業やD2Cなど高収益事業への転換を進め、2031年2月期に売上高117億円、営業利益14億円、営業利益率12%、ROE13%以上を目指す。
