世界的な人気を博した米女優、マリリン・モンロー(1926-62)の生誕100年を記念した「マリリン・モンロー生誕100年記念 写真集・書籍コレクション展」が30日(土)、31日(日)の2日間、燕市中央公民館(新潟県燕市水道町1)2階で開かれている。主催するのは、半世紀にわたりモンローを追い続けてきた燕市の青木栄二さん(66)。所蔵する写真集や評伝、映画雑誌など約100冊のほかDVD、グッズなど資料の一部を公開し、「今でも忘れないでいるファンがいることを、彼女本人に知ってほしい」と話している。
中学3年で出会い、半世紀
中学3年のころに片岡義男訳のモンローの評伝『嘆きのヴィーナス』を読んだのが出発点。幼少期の不遇、モデルから女優へ進んだ歩み、36年の短い人生の濃さに引き込まれた。
青木さんの所蔵は、写真集や評伝だけでなく、表紙を飾った米誌「LIFE」、映画雑誌「SCREEN」のモンロー特集、DVD、CD、VHS、バービー人形、バッグなど多岐にわたる。
ことし4月、映画雑誌「SCREEN」が過去に掲載したモンロー関連記事をまとめたムックが刊行された。青木さんは「自分たちが載せたモンローの記事を全部1冊にまとめてくれる。素晴らしいこと」と喜ぶ。生誕100年に合わせて出版された新刊も手にし、今なおモンローに関する新たな視点が出てくることを喜ぶ。
一方で、モンローが語った内容を米国の脚本家ベン・ヘクトが書き取ったとされる自叙伝的作品『マイ・ストーリー』が日本で翻訳出版されていないことには惜しさもにじませる。「唯一のモンロー自叙伝と言われている。生誕100年に出せばよかったのに」と話す。
中田浩二さん、ジョージ・チャキリスさんとの出会いも
モンロー研究を通じて出会った人たちのサインもある。1983年3月18日、東京・新宿の小田急百貨店で開かれたモンローの写真展を訪ね、会場で作家で翻訳家の中田耕二さんに偶然、出会った。中田さんは日本におけるモンロー研究の第一人者。米国の著名な伝記作家フレッド・ローレンス・ガイルズのモンロー関連書を翻訳した人でもある。
展示を見終えて帰ろうとしたエレベーターホールで、降りてきた中田さんに気づいた。「中田先生じゃないですか」と声をかけ、持っていた本にサインをもらった。青木さんにとって、忘れられない出来事のひとつだ。
2017年8月5日には、米国ロサンゼルスで開かれたモンローの追悼式典にも参加した。現地では、映画「ウエスト・サイド物語」で知られる俳優ジョージ・チャキリスさんにも会い、サインをもらった。「80歳になってもすごい。写真を見せると相手役の名前をすぐ言う」と感心した。
ロサンゼルス、川奈ホテル、目黒のカフェへ
ロサンゼルスでは、モンローが2年ほど暮らしたというホテルも訪ねた。当時はビバリー・カールトン・ホテル、現在はアバロン・ホテルとして知られる場所で、モンローが撮影した写真と同じ場所に立つことができた。
日本国内でも、モンローが新婚旅行で訪れた静岡県伊東市の川奈ホテルなど、ゆかりの地を訪ねてきた。川奈ホテルには、モンローが食べたオムライスが残る。海外のファンもその足跡をたどりに訪れる。
オランダのモンローファン、マルコさんを案内したこともある。マルコさんは世界を飛び回りたい一心でKLMオランダ航空の客室乗務員になり、各地のモンローゆかりの地を巡っている。「モンローはメキシコに家具を買い付けに行ったことがある。マルコさんはメキシコの聖地まで巡礼している。すごい人です」と感心する。
東京・目黒には、店内がモンローのグッズで埋め尽くされたカフェもあり、青木さんにとっては国内ファンを案内したい聖地のひとつになっている。
「今のモデルのポーズもモンローにつながる」
青木さんが伝えたいのは、映画スターとしてのモンローだけではない。モデルとして出発したモンローが、現代の表現にも大きな影響を与えていると考える。
「今でもモデルの人たちが撮るポーズ、それが全部モンローにつながっている。昔モンローがそのポーズをやっていたよ、となる。それがすごい」。また、メイクにも関心を寄せ、モンローが光る口紅を自分で工夫したという逸話も紹介する。
口元のほくろも、なぜそこに描いたのか、誰が教えたのかと、いまだに探究心は尽きない。
「ハリウッドの空で輝いた女優」
モンローは36歳で亡くなった。青木さんは「短い人生だったけれど、すごく中身の濃い生き方をした女性だった」。死後60年以上たっても写真集や評伝は出版され、ドキュメンタリーや映画もつくられ続けている。
一方で、地方では上映されない作品もあり、青木さんは新潟で見られなかった映画を、埼玉県深谷市まで足を運んで見たこともある。
「生誕100年を機に、こういう女優がいたんだということを若い人たちに語り継いでいってもらえたらうれしい。彼女は歴史上の人物になっていくわけで、年々、忘れられる存在になっていくとは思う。でも、ハリウッドの空でひとつ輝く女優であったことは間違いない」。
そして「映画のなかのモンローだけでなく、人間としての魅力に触れてもらえれば」と来場を呼びかけている。30日は午前10時から午後6時まで、31日は午後5時まで。入場無料。


