新潟県田上町で9月10日、「たがみバンブーブー2026」の開会式と光のパレードが行われた。参加者は手作りの小さな「まきまき竹あんどん」を手に「道の駅たがみ」から竹林会場へ。音楽や太鼓、踊りのステージを楽しみ、最後はカウントダウンに合わせて竹林アートを点灯した。町民がつくり、町民が主役となる光のアートイベントはいよいよ12日(土)に一般公開が幕を開ける。
金屏風から登場 遊び心いっぱいの開会式
たがみバンブーブーは、町の竹林を地域の魅力発信に生かそうと2022年に始まり、今年で5回目。竹の切り出しや穴開け、組み立てなどに地域のボランティアが関わり、アーティストとともに竹あかりの会場をつくっている。ことしの一般公開は9月12日から10月12日までの1カ月間。
開幕が2日後に迫った10日、道の駅たがみで行われた開会式では、パフォーマンスカンパニー「to R mansion」などが登壇者の登場を演出した。金屏風萬(きんびょうぶまん)があいさつする人を金屏風で包み、カウントダウンで披露する趣向で、会場をわかせた。
田上ルーテル幼稚園の園児によるマーチングの演奏で開会。渡辺勇祐実行委員長は、5回目を迎えたことに「自分たちがいちばんびっくりしている」とあいさつ。続けて「皆さんに謝らなければいけないことがある」と切り出し、「またとんでもないものを作ってしまいました。去年より格段にパワーアップしているものをまた今年も作ってしまいました」と、謝罪に見立てて今年の仕上がりへの自信を示した。
田上町商工会の野澤幸司会長は、会場を見て昨年とは違う場所のように感じたと話し、今年伸びた竹の色の美しさを紹介。佐野恒雄町長は、昼まで降っていた雨が上がったことを喜び、猛暑の中で準備を進めた実行委員や関係者に感謝した。
式では、たがみバンブーブーを題材にしたオリジナルフレーム切手の贈呈も行った。郵便局側は昨年に続く制作で、9月16日に発売すると紹介。切手を通じて田上町や催しの魅力を発信していきたいとした。
新しい挑戦を支える田上の力
竹あかりの制作を担う熊本県が拠点の竹あかり総合プロデュース「CHIKAKEN」の三城賢士共同代表は、全国のさまざまな地域で制作に関わる中でも、田上では新しい提案に「やりましょう」と応じてもらえると話した。来場者を楽しませたいという思いが強く、やりたいことに挑戦できる環境があると、地域の協力をたたえた。
前夜も午後11時半ごろまで制作を続けていたと明かし、完成しても、まだできることがあったのではないかと考えるという。会期中に寄せられる来場者や運営スタッフの意見も取り入れ、さらに良い作品をつくっていきたいと話した。
約1,000人の笑顔と手作りあんどん 町民が主役の光のアート
美術家の高橋匡太さんは、今年は参加する作品が一つから三つに増えたと紹介した。
竹林の「まきまき竹あんどん」は、竹に廃材となる繊維を巻き付けてつくる作品。田上小と羽生田小の4、5年生が学校を越えて同じ班になり、力を合わせて制作した。
高橋さんは、中学校で一緒になる子どもたちの交流にもつながったと振り返り、今年は竹を編んだ大きな球状の造形も加え、色彩と音楽を組み合わせて演出すると説明した。
二つ目は、道の駅から竹林へ向かう道中の木々に飾った「ひかりの実」。子どもから大人まで約1,000人の町民が参加し、果実袋に笑顔を描いた。
制作に当たっては「自分の大切な人を思い浮かべて笑顔を描いてください」と呼び掛けたという。家族や祖父母、友人などを思い描いた顔があかりとなり、町の人たちの存在を感じられる風景をつくる。高橋さんは、道の駅から歩いて、一つ一つを見ながら巡ってほしいと話した。
三つ目が、光のパレードで参加者が持つ「ミニまきまき竹あんどん」。こちらもボランティアが一つずつ手作りしたもので、内部のライトは電波を受け、演出に合わせて色が変わる仕組みになっている。
高橋さんは、手作りのあんどんに古い糸巻きと新しい技術を組み合わせたと説明。「作品を見るだけではなくて」、参加することで自分が見られる側になる体験をしてほしいと呼び掛け、「町民の方が主役になるような、そんな素敵なパレードになるといいな」と期待を込めた。
田上小の子どもたちが竹の歌を披露
開会式の締めくくりには、田上小学校の3、4年生が、同校卒業の音楽家・田澤葉月さんと竹の歌「ふしぎなあのこ」を披露した。
昨年度の3年生、現在の4年生が、総合的な学習の時間「田上学」で竹やタケノコについて学んだことをもとに、田澤さんと一緒につくった歌。今年は3年生も加わった。
児童は、歌にはタケノコについて学んだことや、田上が大好きな気持ちを込めたと紹介。田澤さんは「バンブーブーの公式ソングを狙っております」と話し、会場に手拍子を呼び掛けて子どもたちと歌った。
開会式を終えると、参加者は光のパレードへ。事前申し込みで定員の300人に達した。小さな竹あんどんを手に、道の駅たがみから「ひかりの実」や羽生田駅前のアート、新設の「TBBB たがみバンブーブーミュージアム」を経て、竹林へ向かう約1.2キロの道のりを進んだ。竹林へ向かう道に飾ったひかりの実は、竹林会場への道しるべだ。
馬場駅長のラップに太鼓、田上甚句 みんなで楽しむステージ
竹林会場では、点灯を前に音楽と踊りのステージが繰り広げられた。道の駅の馬場大輔駅長はラッパーとしてステージへ。この日のために2週間かけて制作したオリジナルトラックで曲を披露。「From this place, from this town 遠く届くまで」と参加者と一体になって声を合わせた。
ほかにもto R mansionのパフォーマンスや護摩堂太鼓の演奏、「田上甚句」の踊りと、参加者も一緒になって楽しむステージとなった。
カウントダウンで一斉点灯 竹林に歓声
そして、いよいよ竹林の点灯。参加者は竹林が見える場所へ移動し、カウントダウン。「ゼロ」の合図に合わせて竹あかりがともると、会場から歓声が上がった。
点灯後は参加者が順に竹林へ入り、アートを鑑賞した。会場では、パレードで持ち寄ったあんどんが、竹林を見終えるころには姿を変えて待っていると案内。歩く人を照らしたあかりを、鑑賞後にも楽しめる演出へとつなげた。
12日から一般公開 10月12日まで開催
たがみバンブーブー2026の一般公開は9月12日から10月12日まで。ライトアップは午後6時から8時半までで、道の駅たがみのみ午後10時まで。竹林のほか椿寿荘、TBBBでも展示し、道の駅、駅前アート、「ひかりの実」は無料で楽しめる。
竹林の入場料は高校生以上が月〜木曜1,500円、金〜日曜と祝日はTBBBとの共通で2,000円。中学生以下は無料。椿寿荘は別料金で高校生以上1,000円、中学生以下無料。
竹林のチケットはオンラインか道の駅たがみで購入し、竹林現地では販売しない。金〜日曜と祝日は竹林周辺の一般駐車場を利用できないため、道の駅から徒歩か無料シャトルバスで向かう。道の駅、竹林、椿寿荘を結ぶ無料の周遊バスは会期中毎日運行する。
問い合わせは、たがみバンブーブー実行委員会(田上町商工会内、電話0256-57-2291)。平日午前9時から午後5時まで。




