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「工場の祭典」を365日の学びへ 燕三条スタディーツーリズム始動

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10月1日から4日まで新潟県燕三条地域の工場を開放する「燕三条 工場の祭典」を前に、同実行委員会(捧開維実行委員長)は17日、三条市の山村製作所で記者会見を開き、燕三条の工場見学やものづくり体験、地域で働く人との交流などを組み合わせた「TSUBAMESANJO STUDY TOURISM(燕三条スタディーツーリズム)」を展開すると発表した。13年間にわたり「工場の祭典」で築いてきた企業や職人とのつながりを生かし、修学旅行や学校の研修、企業・団体の視察などを年間を通じて受け入れる。

記者会見で左から捧実行委員長、野口つたえるリーダー、早川ひらくリーダー
記者会見で左から捧実行委員長、野口つたえるリーダー、早川ひらくリーダー

「4日間」から「365日」の産業観光へ

燕三条地域への工場見学などの来訪は、毎年秋に開く「工場の祭典」の4日間に集中している。そこで実行委員会は、産業観光を「4日間から365日へ」と広げることを目指している。

スタディーツーリズムはその柱のひとつ。工場を単に見学するだけではなく、ものづくりの現場で「見る・聞く・嗅ぐ・味わう・触れる」という五感を使った学びを提供する。

学校、企業、行政まで幅広く受け入れ

対象は小学生から大学生までの学校関係者に限らない。企業研修や視察、業界団体、行政、ものづくりや伝統技術に関心を持つ団体など幅広い利用を想定している。

決まった旅行コースを販売するのではなく、参加者が「何を見たいか」「何を学びたいか」を聞いたうえで内容を組み立てる。日帰りだけでなく、1泊2日や2泊3日にも対応し、見学先や体験内容を組み合わせて提案する。

高校生であれば地元企業で働くことを考えるキャリア教育、小中学生なら地域産業への理解、企業や行政なら産業集積や地域づくりの視察など、参加者に応じて学びの内容を変えていく考えだ。

燕三条駅発着の1日モデルコースも

今回作成したパンフレットでは、燕三条地域を1日で巡るモデルコースも紹介している。

午前9時に燕三条駅を出発し、燕市産業史料館で燕三条の金属加工産業の歴史を学んだあと、燕市の燕物産、青芳、三条市のマルト長谷川工作所を訪問。最後は三条ものづくり学校に移り、職人とものづくりを体験する。

燕三条スタディーツーリズムのパンフレット
燕三条スタディーツーリズムのパンフレット

三条ものづくり学校では、職人の指導を受けながら実際に道具を使う体験に加え、地域事業者とのキャリアセッション、グループディスカッション、成果発表、職人や事業者からの講評まで行い、午後5時に終了するプログラムとなっている。

実行委員会は、このモデルコースをそのまま販売するのではなく、依頼者の目的や日程に合わせて組み替えるための一例と位置付けている。

新潟大学生らがモデルツアーを体験

事業は当初、修学旅行の受け入れ先づくりを念頭に検討を始めた。この夏には新潟大学の学生やデザイン系専門学校の学生を招き、モデルツアーを実施した。

新潟大学の学生を対象にしたアンケートでは、工場見学やものづくりをテーマにした産業観光を体験するのが「初めて」と答えた人が60%。「最も印象に残ったプログラム」では燕物産が57%を占めた。

「ツーリズムEXPOジャパン2026」の出展ブースのサンプルの前で
「ツーリズムEXPOジャパン2026」の出展ブースのサンプルの前で

参加者からは、燕三条の金属産業について「昔からずっとあり、変わらないものだと思っていたが、産業史料館で起源や進化を知り、新たな学びを得た」といった声や、インターネット上の一般的な情報だけでは分からない、ものづくりの現場で働く人から直接話を聞く価値を指摘する声が寄せられた。

旅行会社と連携し持続可能な事業へ

実行委員会は9月24日から27日まで東京ビッグサイトで開かれる「ツーリズムEXPOジャパン2026」に初出展し、スタディーツーリズムを全国の旅行会社や観光関係者に提案する。

実行委員会は旅行業の登録をしていないため、宿泊やバスを含む有料旅行商品の造成には旅行会社との連携が必要になる。これまでも旅行会社と試験的にツアーを組んだ実績があり、今回のEXPOでも具体的な商談を予定している。

捧実行委員長は、これまで旅行会社との試験的なツアーや学校の社会科見学を受け入れるなかで、工場見学や産業観光への需要を感じてきたとする。

一方、これまで公式ツアーでバスを用意して地域を巡ってもらう取り組みも行ってきたが、「無料のツアーにせざるを得ない。ボランティアの方や、いろんな費用をかけてツアーを組むことをずっと続けていくには限界がある」と指摘。旅行会社との連携を進め、持続可能な形での事業化を目指す。

温泉や食、周辺地域との連携も視野

捧実行委員長
捧実行委員長

捧実行委員長は、工場見学だけでは旅行商品として対象が限られるとの認識も示す。「温泉であったり、食であったり、宿泊であったり、その他のコンテンツを混ぜないと、やっぱり人を呼び込めない」とし、燕三条だけで完結させず、弥彦など周辺地域との連携も視野に入れる。

事業を進めるうえでの課題については「まさに座組のところが一番の課題」とし、旅行会社や宿泊、飲食など異業種と連携する仕組みづくりが必要とした。

今後は実際のニーズを探りながら、高校生なら就職やキャリア、小中学生なら地域産業への理解など、対象に応じた内容に磨き上げていく。

「工場の祭典」で工場を開く文化を育ててきた燕三条。その現場を今度は年間を通じた「学びの場」として開き、4日間のイベントから365日の産業観光へと広げていく。

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