新潟県三条市の三条観光協会(梨本次郎会長)は7日に開いた理事会の役員改選で、新会長に大竹啓五さん(54)=観光開発嵐渓(株)代表取締役=を選任した。9年間にわたって会長を務めた梨本次郎さん(52)=(株)梨本商店代表取締役=は退任し、理事時代を含めて15年にわたる協会での活動に区切りをつけた。
新潟県三条市にある国登録有形文化財の秘湯の一軒宿「嵐渓荘」を経営する大竹さんが、来年夏に予定される国道289号八十里越の暫定開通を前に、新たに三条観光協会のかじ取り役を担う。
八十里越開通を前に大竹新会長を選任
役員の任期は3年間で、新役員の任期は7月18日から。会長選出では、高井昭幸理事=三条ホテル旅館組合=が大竹さんを推薦。「大竹さんは嵐渓荘で、観光を通じて三条市に大きく貢献している。八十里越が開通することもあり、三条市の奥座敷から今度は新潟県の玄関口となる所で、ふさわしい」と述べた。
ほかに推薦はなく、大竹さんを新会長に選任することを承認した。副会長には引き続き、石川友意理事=三条商工会議所=と西山丈基理事=三条市タクシー協会=を選任した。
大竹さんは三条市下田地区にある国登録有形文化財の秘湯の一軒宿「嵐渓荘」を経営する。就任あいさつで梨本会長の9年間を振り返り、「カレーラーメンを一生懸命やるだけでなく、自分でも山に登り、八十里越も道路の方だけでなく、歩いて登る方など、いろいろ開拓してこられた」と功績をたたえた。
そのうえで、来年夏に予定される国道289号八十里越(はちじゅうりごえ)の暫定開通について「何もしなければ、おそらく通過されるだけの場所になってしまう。滞在あるいは消費、その受け皿をどうしていくのかが課題」と指摘した。
「今よりももう少し機動力、推進力のある組織にしていくにはどうしたらいいのか、一生懸命、考えながらつくれるように頑張りたい」と抱負を述べた。
「稼げる観光協会」へ実情把握から
観光協会の今後については、情報発信力の強化や「稼げる観光協会」、民間主導の組織のあり方など、これまでにさまざまな意見があったとし、「3年間、それぞれのところの方たちに時間をつくっていただき、実情がどうなのか、こういった組織に何を求めているのかをまず伺いたい」とした。
また、「うかうかしているとどんどん取り残される時代。黙っていないで直接、言ってもらった方がいい」と会員に率直な意見を求めた。
梨本会長が9年で退任 理事から15年携わる
9年間、会長職を務めた梨本さんに敬意を表し、滝沢亮三条市長も出席した。退任する梨本さんに「長年にわたるご功績に感謝申し上げる」と述べた。
さらに「粟ヶ岳の登山だったり、吉ヶ平だったり、さまざまな点で自ら足を運ばれ、自ら実践し、自ら発信されたことが、多くの方々に魅力として伝わった」とたたえ、花束を贈って感謝した。
梨本さんは退任のあいさつで、三条観光協会が2011年7月に下田地区の「下田の郷観光協会」と統合する形で誕生したことを話し、「理事として15年間、そして会長として3期9年、三条観光協会に携わらせていただいた」と振り返った。
梨本さんは、理事長も務めた燕三条青年会議所時代に「燕三条ラーメン王国」として地域のご当地ラーメンに光を当てる活動を行った。
その後も個人として、また観光協会を巻き込みながら活動を続けてきた。「観光協会の会長と燕三条ラーメン王国の国王という2足のわらじは、全国でも珍しいのでは」と会場を和ませた。
カレーラーメン、登山、トレイルランニングでも発信
三条カレーラーメンの発信や、5年続いた「燕三条カレー産業博」などにもふれ、カレーラーメンスタンプラリーは地道な事業だが、長く続いていることも話した。
9日放送予定の日本テレビ系「秘密のケンミンSHOW極」で三条カレーラーメンが紹介されることも紹介し、「非常に感慨深い」と喜んだ。
また、趣味の登山やトレイルランニングを通じて地域の山の魅力を発信してきたことも紹介した。2021年には粟ヶ岳でスカイランニングの世界大会が開かれ、自身も選手として出場した経験にふれ、「世界大会で10位に入る観光協会会長も、全国を探しても珍しいのでは」と話した。
観光協会の役割については「地域の観光事業者のハブであり、ワンストップ型で情報を受信し、発信できる形にならないといけない。ブランド力を高め、地域で稼ぐ力をつくっていかなければいけない」と、会長就任以来、問題提起を続けてきたとした。
退任については「組織の新陳代謝を図り、活性化を図るためにも、来年の八十里越、国道289号の暫定開通の前に、ふさわしい会長に席を譲った方がいい」と思い至った。
「やらなかった宿題がたくさん残っているが、それは大竹新会長に受け継いでもらい、この会が素晴らしい会になるよう期待したい」と述べ、感謝の言葉で締めくくった。
