新潟県三条市のJAえちご中越農産物直売所「ただいまーと」内にあるジェラート店「Gelateria COCO(ジェラテリアココ)」のオーナー佐久間康之さん(43)は8日、首相官邸を訪れ、木原稔官房長官を表敬訪問した。昨年12月にイタリアで開かれた歴史あるジェラートの国際大会「Coppa d’Oro(コッパ・ディ・オーロ)2025」で日本人初優勝を果たした世界一のジェラートを木原官房長官に振る舞い、あわせて三条市と新潟県産農産物の魅力をアピールした。
表敬には佐久間さん夫婦と滝沢亮三条市長、JAえちご中越の吉田文彦経営管理委員会会長、表敬訪問を橋渡しした国定勇人衆院議員が訪れた。
滝沢市長は「JAえちご中越管内で取れたおいしいお米と、新潟はお米だけでなく桃もお持ちした。佐久間さんがイタリアの世界大会でチャンピオンになったマンゴーのジェラートもぜひ召し上がっていただきたい」とあいさつ。「地域を挙げて食品、農業をさらに活性化させていきたい」と述べた。
「マンゴーよりもマンゴーらしい」世界一の味
佐久間さんが持参したのは、大会で優勝した「マンゴーフロマージュブラン」。コッパ・ディ・オーロ2025は「マンゴーのソルベ」がテーマで、世界各国から約100人が参加した。欧州勢が中心の本場イタリアの大会で、日本人は入賞したこともないなか、佐久間さんは日本人初の頂点に立った。
佐久間さんは「新潟県で栽培されている雪国マンゴーを使った。温泉の地熱を利用して栽培されたマンゴーで、マンゴーよりもマンゴーらしいジェラートを目指して作った」と紹介。大会のテーマ発表から約200日間、毎日試作を重ね、「大会の審査員長から“パーフェクト”と呼ばれたレシピ」と胸を張った。
試食した木原官房長官は「世界一のマンゴーのジェラートと言われるにふさわしい味。マンゴーを食べているというより、マンゴーみたいな」と驚き、「私が食べたジェラート人生の中でいちばんおいしい」と絶賛した。なめらかな舌触りにも感心し、「地元の本場の大会で外国人が優勝するのはすごい」とたたえた。
佐久間さんは「イタリア中がニュースになり、びっくりしていた」と大会を振り返った。持参した優勝トロフィーは「日本では私ひとりしか持っていない名誉あるトロフィー」。イタリアで特注した日本国旗と名前を刺しゅうした仕事着で出席し「身が引き締まる思いで、日々ジェラートと向き合っている」と語った。
「糖鮮確実」桃と「難関突破米」もPR
JAえちご中越からは、三条市を中心とする南蒲原地域のブランド米「難関突破米」と、出荷が始まったばかりの桃「日川白鳳(ひかわはくほう)」も持参した。
吉田会長は、佐久間さんがただいまーとで出店してことしで満10年になることにふれた。「開設当初から一緒にタッグを組んできた。地元産の農産物をできるだけ原材料に使ってほしいとお願いし、いろいろチャレンジしていただいた。その一つが桃」と紹介した。
桃は光センサーで糖度と鮮度を確認し、「当選確実」をもじった「糖鮮確実」のネーミングで高付加価値販売している。米は「南蒲」をもじって「難関突破米」として商標登録。管内の高校生約4,100人に無料配布して受験を応援するほか、甲子園出場や全国大会出場など、挑戦する人を応援する「食べるお守り」として販売している。
木原官房長官は「難関突破はとくに今の官邸に必要な言葉だと思い、コメントしがたい」と笑わせ、「新潟は米のイメージはあるが、こういった桃があるのは意外」と話した。
滝沢市長らは信濃川が育んだ豊かな土壌により、越後平野では果樹も盛んで、梨やブドウ、冬には西洋梨「ル レクチエ」もあることを説明した。
佐久間さんは「新潟県は作物が豊富で、ただいまーとでいろいろな野菜や果物を使わせていただいている。そのレシピ構築の技術をイタリアに認められたことは、地方・新潟としてうれしい限り」と話した。
木原官房長官は「本当においしくいただいた」と世界一のジェラートと三条の農産物に感謝し、佐久間さんらは今後も新潟の食と農の魅力を全国へ発信していく決意を新たにした。
表敬訪問のようすは首相官邸公式サイト「三条市長による表敬 | 首相官邸」で動画も見ることができる。
