一般社団法人燕三条青年会議所(燕三条JC、酒井貴輝理事長)は28日の定例記者会見で、6月に新潟市の朱鷺メッセで開かれた「ASPACにいがたEXPO」に出展した「燕三条テストマーケティング」の結果を発表した。外国人来場者157人のうち93.6%が燕三条を「訪れてみたい」と回答。ものづくり体験や工場見学への関心が高い一方、英語対応や交通アクセス、宿泊情報の充実が課題として浮かび上がった。
会場最大級の5小間で燕三条を発信
ASPACにいがたEXPOは、国際青年会議所(JCI)のアジア太平洋地域会議「2026 JCI ASPAC新潟大会」にあわせ、6月12日から14日まで朱鷺メッセコンベンションセンター(新潟市中央区)のエスプラナードで開かれた展示商談会。県内事業者などが食・酒、製品・サービス、観光、防災をテーマに約100小間を出展した。
燕三条JCは会場内で最大級の5小間のブースを設けた。三条市、燕市、弥彦村や地域企業の協力を得て、製品の販売、実演、体験企画などを展開した。
協力事業者は15社。箸、スプーン、フォークのほか、燕三条製品が当たる1回1,000円のカプセルトイが人気を集め、物販売上高は約70万円に上った。
生花のワークショップやパフォーマンスも行い、通行する大会参加者に燕三条をアピール。JCIの世界会頭や日本青年会議所の会頭らもブースを訪れた。台湾や米国・ハワイ地域からの来場者の購入が目立ったという。
93.6%が来訪に前向き
外国人来場者を対象にしたアンケートでは、15以上の国・地域から157件の有効回答を得た。「ぜひ行ってみたい」が52%、「行ってみたい」が42%で、計93.6%に当たる147人が燕三条への来訪に前向きな意向を示した。
燕三条で体験したいことを複数回答で尋ねると、「ものづくり体験」が85件で最多。「工場見学」68件、「食体験」50件、「自然・くつろぎ」37件、「地域交流」36件と続き、単なる買い物より、手を動かしたり、製造現場を見たりする体験への関心の高さが表れた。
製品の背景にある職人技、歴史、地域性などのストーリーについても、93.0%に当たる146人が「もっと知りたい」または「どちらかといえば知りたい」と回答した。
5万円以上の支出想定が22人
交通費と宿泊費を除き、燕三条を訪れた際に想定する支出額は「1万円以上3万円未満」が64人で最も多かった。3万円以上を見込む人は43人で全体の27.4%。このうち5万円以上は22人、10万円以上も8人いた。特別な体験や限定製品など高付加価値商品への需要も見込める結果となった。
回答者は台湾が31人で最も多く、インド25人、フィリピンと香港が各11人、インドネシア9人など。いずれも各国・地域のJCI会員や関係者で、経営者や地域活動に積極的に関わる層が多いことから、一般の外国人旅行者とは異なる回答傾向が含まれる可能性もある。
「行きたい」を「行ける」に
自由記述では、燕三条の職人技や伝統、鎚起銅器、自然、歴史などを評価する声が寄せられた。一方、「英語でのサポートがあると良い」「アクセスや宿泊の情報がほしい」「製品の物語をもっと伝えてほしい」といった要望もあった。
燕三条JCは、燕三条に魅力がないのではなく、興味を持っても具体的な来訪行動につなげるための情報や受け入れ態勢に不安があると分析。ものづくり体験、工場見学、食体験の商品化、多言語によるストーリー発信、英語対応やアクセス・観光情報の整備、高額支出層に向けた特別体験や限定品の開発などが必要とした。
アンケート結果は、協力を受けた三条市、燕市、弥彦村の観光協会に提供するとともに、燕三条JCのホームページにも掲載する。JCIの海外ネットワークを生かし、燕三条への継続的な誘客や地域内消費の拡大につなげる。
