3月4日に急性大動脈解離で立川綜合病院(長岡市)に緊急入院して手術を受けた藤田明美市長(55)は7日、64日ぶりに登庁し、定例記者会見の前に報道関係者に対しあいさつした。藤田市長は「多くの方にご心配とご迷惑をおかけした」と謝罪し、「生きて加茂に帰ってこられたことが、これ以上ない喜び」と率直な思いを語った。残された任期はまっとうしたいと意欲を見せる一方、任期後は主治医とも相談すると述べた。
藤田市長は急性大動脈解離を発症して入院し、4月28日に退院した。入院中から人事異動などの仕事を始め、その後もリモートでの職務を増やしてきた。大病にもかかわらず藤田市長は入院前と変わらないような元気な姿を見せた。
議場で発症「残り13分を我慢しようと思った」
発症したのは3月定例会初日の一般質問中で、体調不良を訴えて救急搬送された。済生会新潟県央基幹病院を経由して、ドクターヘリで長岡市の立川綜合病院へ搬送され、手術と入院治療を受けた。
発症時は議員の一般質問中で、藤田市長は「最初は気持ち悪いなという感じだった」と振り返った。質問の残り時間が13分と表示されていたため、「その時は我慢しようと思った」。
しかし、しだいに胸や背中の痛みが強まり、答弁を求められたタイミングで議長に休憩を要請。別室で横になったが、「そのまま戻れる状態ではない」と救急搬送された。
搬送後の記憶は断片的で、「救急車に乗ったこともあまり記憶にないくらい苦しかった」。家族がドクターヘリに同乗していたことも、後から聞いて知ったという。
医療関係者、市議会、市職員、市民に感謝
冒頭、藤田市長は「3月4日に入院してから4月28日に退院するまでの間、多くの方にご心配をおかけした。また公務などをキャンセルすることもあり、多大なご迷惑をおかけした」と謝罪した。
そのうえで、治療にあたった立川綜合病院の医療スタッフをはじめ、市議会議員、市職員、救急隊員、搬送に関わった関係者へ感謝を述べた。
入院中は「だいぶ弱音を吐かせていただいた」といい、「待ってくれている人がいるということが、自分を奮い立たせてくれた」と市民らからの激励にも感謝した。
「残された任期は職務をまっとうしたい」がその後は主治医とも相談してしかるべき時に判断
今後の公務については、当面はリモートで対応できるものから進め、徐々に市役所に出る時間や外出を増やしていく考えを示した。目標は6月定例会への出席。
市長任期は来年5月まで。「残された任期は職務をまっとうしたい。まっとうします」と力を込めた。一方、任期後の対応については「主治医とも相談しながら、しかるべき時に判断しなければならない」とし、現時点では未定とした。
胸骨切開で運動や荷物に制限
手術では裂けた血管を人工血管に替え、人工血管を内側から補強、血流を確保するステントグラフトを入れた。胸骨を切開してまだ完全に治っていないため、現在は激しい運動や重い荷物を持つことはできない。
食事は塩分控えめ、アルコールも控えめにし、車の運転もしばらくできない。ただ、軽い運動は望ましいとされており、「筋力も落ちているので、体力をつけるために取り組んでいきたい」と話した。
後遺症については「特別にはない」としながらも、2カ月近い入院生活で筋力が低下していることを課題に挙げた。
「手加減しないで意見を」
藤田市長は市民に向けて3つのお願いをした。1つ目は健康への留意。「何をするにしても健康第一だと実感した。ふだん当たり前にできていることこそ尊い」。
2つ目は、市政運営への安心。「副市長を中心に、市職員全員がやるべきことを理解して進めてきてくれている。市政運営が滞っていることはない」と強調した。
3つ目は、市政への意見を遠慮なく寄せてほしいということ。「市長が病気で入院したからと手加減せず、これまで以上に感じていること、思っていることを聞かせてほしい。しっかり受け止める」と呼びかけた。
