【第1回】三条市のシンガー吉田睦さんがジャズギタリスト布川俊樹さんとのデュオユニット「Found」でアルバムをリリース（1/2） (2013.6.13)

米国での音楽活動の経験もあり、新潟を中心に活躍する三条市の女性シンガー、吉田睦さん(34)とジャズギタリスト布川俊樹さん(54)とのデュオユニット「Found（ファウンド）」のファーストアルバム『Found』がこのほどリリースされた。アコースティックでジャジーなサウンドは幅広い層の音楽ファンを魅了している。

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見附市の市民団体「見附Jazz倶楽部」主催の定例コンサートに布川さんがスペシャルゲストとして出演。そこに吉田さんが飛び入りして2人は出会った。吉田さんはそのときのことを思い出す。「それが結構、良かったと布川さんに言われて。それから2年たってもっと良くなったと言われ、ユニットを組むのもいいねと言われました」。数回のセッションをへて布川さんに認められた。

ジャズギタリスト布川俊樹さんとのデュオユニット「Found」でアルバムをリリースした吉田睦さん

その後、東京や新潟で2人でライブを行う一方、ユニットを組むならCDを作ろうとなった。昨年8月に三条市・スタジオKENでレコーディングし、ことし4月20日にリリースした。アルバムタイトルの『Found』は「見つけた」。布川さんが吉田さんの才能「見附で見つけた」という駄じゃれから。プロモーションビデオも制作し、6月6日に公開した。

『I Found you』のプロモーションビデオ

布川さんのアコースティックギターをベースにしたジャジーなポップスで、オリジナルとカバーが5曲ずつの10曲を収録する。アルバムを代表する『I Found you』はFoundの書き下ろし。キャッチーなさびが印象的で、軽快なバンドサウンドにFoundの誕生のストーリーを英語で歌う。「見附での布川さんのライブに150人も入ってくれたことに布川さんが感激してくれました。そんな布川さんの目線で書いた曲。あったかい人たちと音楽があって、そんななかに君はいたんだね、という感じ」。

デュオユニット「Found」のアルバム『Found』

『On A Rainny Day』は、布川さんのベーシストとのユニット「デュオラマ2」に収録された布川さんのオリジナル曲『湖畔のゆりかご』のリメーク。インストゥルメンタルの原曲に吉田さんが平成16年7月新潟・福島豪雨、7.13水害での被災経験を歌詞にした。「わたしの歌はまだまだ頑張らないといけないのでしょうが、布川さんのギターはすばらしいし、息の合った演奏になったと思います」。

吉田さんの家は南四日町にあり、1階の壁の半分くらいの高さまで水につかった。当時、東京に住んでいた吉田さんは、水が引いてから1週間ほど実家で片付けを手伝った。そのときの映像やにおいが今も記憶にはっきり刻まれている。「失って初めて大切さに気付くものもありました」。7月は大好きな誕生月。そこに7.13水害の記憶が一緒に刻まれた。『On A Rainny Day』で吉田さんは、“突然降りしきる雨が想い出を流してゆく”、そして“どうかどうかこの先には穏やかな雨を祈ろう…”と複雑な思いをソフトなミディアムバラードにのせて歌う。

吉田睦さん

アカペラで始まる『晴れときどき曇りの日もしとしと雨の日も』は田園の原風景をイメージした。「田んぼに水が張って、そこに空に映るのがきれい。緑の稲がが風にさらさらと揺れる感じとか。何でもない日常なんだけど、昔からここにある風景なんだなという思いで」。『ステキ』は吉田さんの初めてのオリジナル曲で、名刺代わりの1曲。『Eternal Friend』は親友に贈ったバラードだ。

カバー曲はTOTOの『Georgy Porgy』やレオン・ラッセルの『This Masquerade』など耳なじみの曲で、ジャズファンに限らず親しみやすいアルバムに仕上がった。

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