投稿者: masato

  • 三条市内の子ども約4,000人に「夢チケット」 大学野球サマーリーグ6日開幕、慶明応援合戦も

    三条市内の子ども約4,000人に「夢チケット」 大学野球サマーリーグ6日開幕、慶明応援合戦も

    首都圏の大学野球の次世代育成と地域交流を図る「第12回次世代育成大学野球サマーリーグ」が6日から10日までの5日間、新潟県三条市の三条パール金属スタジアムを中心に開かれる。開幕前日の5日、三条市役所で「子ども夢チケット(お楽しみ抽選券)」の贈呈式が行われ、主催者や学生企画チームが滝沢亮市長に大会の見どころや新たな取り組みを説明した。

    サマーリーグの子ども夢チケットの贈呈式
    サマーリーグの子ども夢チケットの贈呈式

    野球を「見る」から「する」へ

    子ども夢チケットは、少子化や野球人口の減少が進むなか、地域の子どもにサマーリーグを観戦してもらい、野球への興味や関心を高めようと毎年、プレゼントしている。

    野球を「見る」ことから「する」ことにつなげ、中学、高校、大学まで競技を続ける選手の育成と、地域における野球人口の維持、拡大を図る。すでに三条市教育委員会を通じ、市内の小学生と特別支援学校小学部、中学部に約4,000枚を配布している。

    9、10の両日午前10時から午後2時まで、三条パール金属スタジアム玄関脇にブースを設け、チケットを持参した子どもを対象に抽選会を行う。景品がなくなり次第終了する。

    第12回大学野球サマーリーグ
    第12回大学野球サマーリーグ

    抽選景品は約500個。メインスポンサーのパール金属(株)が提供するマグカップをはじめ、サマーリーグのエコカップ、参加大学のキーホルダーなどのノベルティーグッズ、大会オリジナルキャラクターのステッカーなどを用意する。

    9大学と県内高校が計24試合

    サマーリーグは2015年に始まり、ことしで12回目。慶応大学、明治大学、法政大学、立教大学、國學院大学、駒澤大学、筑波大学、拓殖大学、新潟大学などが参加する。駒澤大学はことしから新たに加わり、早稲田大学は参加しない。

    サマーリーグの子ども夢チケットの贈呈式
    サマーリーグの子ども夢チケットの贈呈式

    県内高校との交流試合も組み、新潟産業大学附属高校、新潟県央工業高校、北越高校、新潟西高校、新潟高校、新発田農業高校、佐渡高校などが大学チームと対戦する。

    会場は三条パール金属スタジアム、新潟市白根野球場、見附運動公園野球場に加え、ことし初めて新発田市の五十公野公園野球場を使用する。5日間で計24試合を予定している。

    贈呈式には、実行委員長の拓殖大学商学部・松橋崇史教授、企画チームの慶応大学、筑波大学、拓殖大学の学生6人、コラボ商品を製作する三条市立大学のサークル「雛燕」の学生2人、慶大、パール金属の高波久義社長らが出席した。

    実行委員長の松橋教授
    実行委員長の松橋教授

    松橋教授は、「2015年に始まり、三条の夏の大会として大学野球界にも定着してきた。この大会にかかわりたい、出場したいと思って大学に入る学生も増えている」と大会の広がりを喜んだ。

    前年は雨で一部の試合や応援企画ができなかったことから、「ことしは天気が良くてよかった。暑いくらいでいいという気持ち」と熱戦に期待した。

    学生23人に高校生も加わって運営

    大学野球部の学生が運営に深くかかわるのもサマーリーグの特徴。ことしは参加大学を中心とする学生23人が企画チームを組み、試合運営、地域交流、広報、グッズ制作、野球教室などを分担して準備してきた。

    企画チームの統括の植田さん
    企画チームの統括の植田さん

    さらに、新発田農業高校や新潟県央工業高校などの高校生も、単なるボランティアではなく運営の一員として加わる。大学生と高校生が一緒に大会をつくることで、高校生の学びにもつなげる。

    松橋教授は「単なるお手伝いではなく、大学生や高校生が一緒に大会をつくる形にしたい」と期待した。

    学生統括を務める慶大野球部マネージャー3年の植田さくらさんは、3回目の参加。ことしの取り組みについて、熊本地震の義援金の募金活動、8日に選手交流会のバーベキューの実施、来場者へのうちわの配布などを紹介した。

    熊本地震被災者の支援募金も実施
    熊本地震被災者の支援募金も実施

    ことしはサマーリーグのキャラクターをデザインし、シールも製作した。「できることはすべてやり切った。あとは開催するのを待つだけ。これまでの集大成として頑張りたい」と話した。

    慶應と明治が応援合戦、地元高校のチアも参加

    大会の見どころのひとつが、9日正午から三条パール金属スタジアムで行われる慶大対明大の「慶明応援合戦」。両大学の応援団がスタンドで応援合戦を繰り広げるほか、地元高校と帝京長岡高校のチアリーディング部も参加し、大学生とのコラボレーションを披露する。

    8日には同スタジアムで、大学の垣根を越えた選手交流会としてバーベキューを行う。学生がデザインした大会オリジナルキャラクターも初めて制作。学生制作の大会うちわを来場者や夢チケットの参加者らに配布するほか、各球場で災害復興支援の募金活動にも取り組む。

    サマーリーグのコラボ商品を製作した三条市立大学のサークル「雛燕」の学生
    サマーリーグのコラボ商品を製作した三条市立大学のサークル「雛燕」の学生

    中学生、高校生を対象にした野球教室や地元の障害者野球チームとの交流、三条のものづくり、食、自然にふれる地域体験も行う。

    高波社長は「非常に楽しみにしている。ぜひ皆さんから試合を見に来ていただきたい」と来場に期待した。

    三条市立大学がコラボグッズ

    例年通り三条市立大学の学生もコラボグッズを制作する。大学の加工機を使い、サマーリーグのロゴを加工した手に取りやすい価格帯の商品を販売する。三条市立大学の学生は「ものづくりの大学なので、ものづくりを通してサマーリーグを盛り上げたい」と話した。

    初めて企画チームが作成したサマーリーグのキャラクターのシール
    初めて企画チームが作成したサマーリーグのキャラクターのシール

    滝沢市長は「毎年開催してもらいありがたい。ことしも熱戦を繰り広げてもらい、学生の皆さんの活躍でサマーリーグ全体を盛り上げてほしい」と期待。「新潟、三条でいい思い出をつくってほしい。暑さには十分気をつけてもらいたい」と呼びかけた。

    さらに、ことし秋から三条パール金属スタジアムのバックスクリーンを映像表示設備に全面改修する予定を紹介。来年の大会では大学ごとのオリジナル映像を流すなど、「大学ごとの色を見せるのも面白い。学生のアイデアで最大限に活用してほしい」と求めた。

    パール金属の高波社長
    パール金属の高波社長

    観戦は高校交流戦が無料。大学同士の試合は育成協力金として1日1,000円を求め、中学生以下は無料。試合開始時刻や会場などは大会公式ウェブサイトで確認できる。試合日程は次の通り。

    日程 試合
    開始
    対戦・行事 会場
    6日(木) 13:00 立教 vs 駒澤 三条パール
    16:00 国大 vs 法政 三条パール
    7日(金) 10:00 立教大 vs 国大 三条パール
    10:00 産附 vs 法政 白根野球場
    13:00 立教 vs 県央工高 三条パール
    13:00 拓殖 vs 法政 白根野球場
    16:00 筑波 vs 明治 三条パール
    16:00 慶応 vs 駒澤 白根野球場
    8日(土) 9:00 新大 vs 立教 三条パール
    9:00 筑波 vs 法政 白根野球場
    9:30 拓殖 vs 慶応 五十公野公園
    12:00 明治 vs 国大 三条パール
    12:00 筑波 vs 駒澤 白根野球場
    12:30 新発田農 vs 慶応 五十公野
    15:00 明治 vs 北越高 三条パール
    15:00 新潟西高 vs 駒澤 白根野球場
    9日(日) 9:00 立教 vs 法政 三条パール
    9:00 新潟高 vs 拓殖 白根野球場
    9:00 駒澤 vs 国大 見附運動公園
    12:00 慶応 vs 明治 三条パール
    12:00 筑波 vs 拓殖 白根野球場
    12:00 佐渡高 vs 新大 見附運動公園
    10日(月) 9:00 明治 vs 拓殖 三条パール
    12:00 筑波 vs 慶応 三条パール

    ※時間はすべて予定。繰り上げて開始する場合があります。
    ※対戦校、開始時間などは変更になる場合があります。
    ※表記の左側の学校が先攻・三塁側です。

  • 燕市の台所道具「conte」の魅力を銀座で体験 ごはん同盟・しらいのりこさん迎え9月6日にイベント

    燕市の台所道具「conte」の魅力を銀座で体験 ごはん同盟・しらいのりこさん迎え9月6日にイベント

    公益財団法人にいがた産業創造機構(NICO)は9月6日(日)、東京都中央区の銀座・新潟情報館「THE NIIGATA」で、燕市の台所道具ブランド「conte(コンテ)」を紹介するイベント「燕三条の道具。聞いて使って、ご飯を美味しく食べる会〜conteとごはん同盟〜」を開く。

    conteの製品
    conteの製品

    県内企業の商品開発や製造へのこだわりにスポットを当てる今年度の新企画「Product story(プロダクトストーリー)」の第2弾。燕三条のものづくりや商品の開発背景を学び、道具を実際に使いながら、炊きたてのご飯とご飯のお供を味わう。定員は各回25人、参加費は2,000円。

    燕三条のものづくりと「conte」の開発背景を紹介

    「Product story」は、県内で作られる食品や生活関連用品を題材に、開発の背景や生産者の思いなどを作り手自身の言葉で伝え、商品に秘められた物語に光を当てるイベント。NICOが「新潟県の産業をもっと元気に」を使命に、チャレンジする県内企業を応援する取り組みとして企画した。

    第1弾は5月29日にTHE NIIGATAで開き、長岡市の米菓メーカー岩塚製菓と瑞花を取り上げた。第2弾で取り上げる「conte」は、燕市のステンレス加工メーカー、一菱金属(株)が手がける台所道具ブランド。当日はブランドの仕掛け人が、燕三条の産地としての歴史や分業によるものづくり、conteの道具が完成するまでを紹介する。

    conteは、使いやすさや洗いやすさを追求し、「末永く寄り添う台所道具」を意識した製品づくりを続けている。2016年のブランド発表から、ことしで10周年を迎えた。

    まかないボウル、丸バット、平ザル、やくさじ、オイルポットなどを展開。これまでに「iF DESIGN AWARD GOLD 2018」、「German Design Award GOLD 2021」、「GOOD DESIGN AWARD 2023 BEST100 グッドフォーカス賞」など国内外で数多くの賞を受けている。

    しらいのりこさんが道具の活用法や炊飯のこつを紹介

    新潟県出身のお米料理研究家、しらいのりこさん
    新潟県出身のお米料理研究家、しらいのりこさん

    ゲストには、新潟県出身のお米料理研究家、しらいのりこさんを迎える。しらいさんは、実家が米農家の夫、シライジュンイチさんとフードユニット「ごはん同盟」として活動。「お米を粒から液体まで応援する」をテーマに、お米料理やご飯に合うおかず、日本酒に合うおつまみなどのレシピを提案している。

    NHKの「きょうの料理」、「強火で行こうぜ!」にレギュラー出演し、炊飯教室なども精力的に開いている。

    しらいさんは、ふだんからconteの製品を愛用。初めて使った「まかないボウル」について、形状や使い勝手だけでなく手ざわりの良さを特に気に入っており、「もう今ではほかのボウルを使う気にならず、ボウル迷子から見事卒業となりました。ぜひ触って、その素晴らしさを感じてみてください」と話している。

    当日は、しらいさんがconteのおすすめの道具と活用法、おいしいご飯の炊き方、ご飯に合うおすすめのお供を紹介する。

    参加者は、ステンレスのばね材の反発力と硬さを生かした「おてがる薬味トング」と「おてがる料理トング」を使い、ご飯のお供を取り分ける。軽い握り心地ながら食材をしっかりつかめるトングの使い勝手を試し、炊きたてのご飯とともに味わう。

    開催時間は午前11時半から午後1時までと、午後2時半から4時までの2回。会場は銀座・新潟情報館「THE NIIGATA」3階イベントスペース(東京都中央区銀座5-6-7)。

    定員は各回25人。参加費は税込み2,000円で、支払いは現金のみ。申し込みは「THE NIIGATA」のホームページで受け付ける。

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  • 「偉い人の話も鵜呑みにしないで」前川喜平さんが加茂暁星高校で講演 SNS時代に必要な「疑う力」説く

    「偉い人の話も鵜呑みにしないで」前川喜平さんが加茂暁星高校で講演 SNS時代に必要な「疑う力」説く

    新潟県加茂市の加茂暁星高校(仲野孝校長)は5日、新潟中央短大で夏季特別講演会を開き、岡山自主夜間中学校代表で一般社団法人基礎教育保障研究所理事長の城之内庸仁(しろのうち・のぶひと)さんと、同研究所顧問で加計学園問題などで注目を集めた元文部科学事務次官の前川喜平(まえかわ・きへい)さんが講演した。

    講師の前川喜平さん(左)と城之内庸仁さん
    講師の前川喜平さん(左)と城之内庸仁さん

    城之内さんは、義務教育を十分に受けられなかった人たちの現状や夜間中学の役割を紹介。前川さんは、人工知能(AI)やグローバル化が進む社会を生きるために、自ら学び、情報や権威を疑い、自分の頭で考えることの大切さを高校生に訴えた。

    推薦・総合型選抜にも役立つ多様なものの見方を

    同校の夏季特別講演会は昨年度に始まり、ことしで2年目。主に大学進学を目指す生徒を対象に、受験科目の補習だけでなく、推薦入試や総合型選抜の小論文、面接などにも生かせる多様なものの見方や考え方を身に付けてもらおうと企画した。

    昨年は城之内さんが講演し、ことしは前川さんと2人で講演。今回は希望した3年生を中心に一部、2年生を含む生徒25人が参加。城之内さんが「学ぶことは生きること〜夜間中学から見えてくること」、前川さんが「これからの社会と学び〜多様な教育のあり方を考える」と題して話した。

    新潟県内に義務教育未修了者3万5千人以上

    城之内さんは、風邪で病院へ行くとき、利き手に包帯を巻いて問診票を代筆してもらう人や、計算ができず買い物では常に紙幣を出す人など、読み書きや計算ができないことで生じる生活上の困難を紹介した。

    希望した生徒25人が聴講
    希望した生徒25人が聴講

    2020年国勢調査を基に、全国には最終卒業学校が小学校の人が約80万人、小学校にも在学したことがない人が約9万人を数える。少なくとも約90万人が義務教育を修了していないと説明。新潟県内では小学校を卒業していない人が1千人以上、最終卒業学校が小学校の人が3万5千人以上いると話した。

    県内の義務教育未修了者は新潟市が8,716人で最も多く、長岡市4,814人、上越市2,828人、村上市1,738人、新発田市1,469人、燕市1,405人、三条市1,388人などとなっている。

    不登校だったため中学校を形式的に卒業したものの、実際には十分な教育を受けられなかった人、外国にルーツがあり日本語を学ぶ機会を得られなかった人など、夜間中学を必要とする人の背景は多様化している。

    「読み書き計算の学校」だけではない夜間中学

    城之内さんが2017年に設立した岡山自主夜間中学校では、年齢や国籍を問わず、学び直しを求める人をボランティアが支援している。登録者は400人を超え、小中学校で不登校だった若者、外国人、高齢者らが学んでいる。

    80歳前後になってそろばんを学び始めた人についてふれた。その人は子どものころ、家庭の事情でそろばんを用意できず、そろばんの授業がある日は学校を休んでいた。長年、心に残っていた「そろばんを学びたい」という願いを夜間中学でかなえた。

    城之内庸仁さん
    城之内庸仁さん

    城之内さんは「夜間中学は読み書き計算を学ぶだけの学校ではない。一人ひとりの願いや、その人の尊厳をもう一度、確かめる場所でもある」と話した。

    また、学校へ通えなかった子どもが宿泊研修で仲間と掃除をし、「みんなと掃除ができるのがうれしい」と喜んだエピソードを披露。「皆さんにとっては面倒な掃除や登下校も、学校へ行きたくても行けなかった人には大切な時間。学ぶことは生きることであり、より良く生きること」と結んだ。

    文科省の夜間中学政策を「靴に足を合わせる」と批判

    前川さんは1979年に文部省へ入り、2016年に文部科学事務次官に就任。退官後の2017年、学校法人加計学園の獣医学部新設を巡り、「総理のご意向」などと記された文書について「確実に存在していた」と証言し、一連の問題で広く知られるようになった。

    講演では文科省に在職した当時、文科省が長く夜間中学を不要と考えていた歴史を振り返った。

    昼間の学校へ通えない子どもがいる現実に対し、制度を変えず、現実の側を制度に合わせようとしていた。そのことを「本来は足に合う靴を用意しなければならないのに、靴に足を合わせろと言っていた」と例えた。

    前川喜平さん
    前川喜平さん

    その後、夜間中学関係者の長年にわたる働き掛けで2014年、超党派の議員連盟が発足。2016年には教育機会確保法が成立し、文科省も夜間中学を全国に設置する方向へ大きくかじを切った。

    前川さんは初等中等教育局長などとして転換期に関わった経験から、「制度をつくる側が、本当に学校を必要としている人の声を聞かなければ、うまくいかない」と述べた。

    SNSはデマや偏見を増幅

    講演の終盤、前川さんは、これからの社会を生きる高校生に必要な力として「情報を見分け、自ら考える力」を強調した。

    SNSでは利用者の好みに合う情報が優先的に表示され、同じ意見ばかりが返ってくる「エコーチェンバー」や、異なる考えが届きにくくなる「フィルターバブル」が生まれると説明。注目を集めるほど利益につながる「アテンションエコノミー」によって、事実でなくても刺激の強い情報が拡散されやすいとした。

    匿名で相手を攻撃する誹謗中傷や、外国人など特定の集団を一括して悪者にするヘイトにも警鐘を鳴らした。

    講演後の取材では、デマを見抜くことは「難しい」としたうえで、「本当に証拠があることなのか、ただの伝聞ではないのかを確かめる必要がある」。災害時には不安や混乱からデマが広がりやすいとし、関東大震災時の朝鮮人虐殺につながった流言を例に挙げた。

    デジタル情報にだまされるのは若者に限らないとも指摘。「むしろ中高年の方が、あっという間に取り込まれてしまう危険もある」と述べ、世代を問わず情報を検証する力が必要だとした。

    AIに使われず、学びながら働く

    前川喜平さん
    前川喜平さん

    AIの発達により人間が担ってきた仕事の一部がAIに置き換わる一方、使い方によっては労働時間を減らし、人間が自由に使える時間を増やす可能性があるとした。

    一方で大多数の人がAIに使われる社会にもなりかねないと指摘。今後はひとつの組織で同じ仕事を続けるだけでなく、社会の変化に応じて「学びつつ働き、別の仕事へ移っていく」生き方が増えると見通した。

    医療でも診断や手術の一部はAIに置き換わる可能性がある一方、患者と直接、接して心を通わせる看護など、人間の感性や人間性が求められる仕事は残ると話した。

    「総理大臣の言うことでも疑って」

    前川さんが最後に高校生へ繰り返したのは「疑うこと」の大切さだった。学びの出発点は「なぜだろう」「本当だろうか」「間違っているのではないか」と疑問をもつこと。教科書や教師から与えられた知識を記憶して試験で再現するだけでは、本当の学力とは言えないとした。

    「親の言うことでも、先生の言うことでも、文部科学省の言うことでも、内閣総理大臣の言うことでも、そのまま正しいと思って鵜呑みにしないで、一度自分の中に取り込んで『本当かな』と考えてほしい」と呼び掛けた。

    さらに「信ずる者は救われるではなく、信ずる者はだまされる。疑うことによって、これは確かだ、これはうそらしいと見分ける力がつき、その力を持つ自分への自信につながる」と話した。

    締めくくりには「学生節」を歌い、「あんたの知らない明日がある」の一節を紹介。高校生の多くは22世紀まで生きる可能性があり、その未来は親や教師ら上の世代には分からないとした。

    「文句を言う親や教師の言うことばかり聞いていても仕方がない。自分で考え、自分の未来を切り開いてほしい。私がきょう話したことも疑ってください」と語り、講演内容そのものも鵜呑みにせず、それぞれの学びにつなげるよう求めた。

  • 統合加茂中の校章決定、加茂川夏祭りは桃釣り復活 障がい福祉事業所見学 加茂市長8月定例会見

    統合加茂中の校章決定、加茂川夏祭りは桃釣り復活 障がい福祉事業所見学 加茂市長8月定例会見

    新潟県加茂市の藤田明美市長は5日、8月定例記者会見を開き、2028年4月に開校する統合加茂中学校の校章と学校指定品、14日に開かれる第41回越後加茂川夏祭り、障がい福祉事業所の見学イベント、加茂紙の紙漉(す)き体験の4項目を発表した。

    藤田加茂市長
    藤田加茂市長

    統合加茂中の校章は鈴木心音さんの作品

    市内5中学校を統合して2028年4月に開校する加茂市立加茂中学校の校章は、加茂小学校6年、鈴木心音(しおん)さんの作品に決まった。

    校章デザインは4月16日から5月14日まで一般公募し、市内外から96点が寄せられた。6月2日の校章選定委員会で5点にしぼり、市内の小学4年生から中学3年生までを対象に投票を実施。在籍する916人のうち80.8%に当たる740人が投票し、鈴木さんの作品は最多の222票を獲得した。

    左から山川教育長、心音さん、藤田市長
    左から山川教育長、心音さん、藤田市長

    校章は加茂市の花、雪椿をモチーフに、5枚の花びらで5中学校が1校にまとまる姿を表現。雪の中でも力強く咲く雪椿に、生徒たちが困難に負けない強さと優しさを託した。

    花びらにはハートが隠され、子どもたちを見守るおとなの愛情を表す。さらに加茂山公園のリス園にちなんで、向き合った2匹のリスが浮かび上がるようにデザイン。友だちとの絆や加茂の豊かな自然への愛着を表現した。

    中央に中学校の「中」の文字を配置し、丸い形で全校の団結を示した。

    制服はジェンダーレス対応のブレザー

    統合中学校の学校指定品は制服、体操着、内履きの3品とし、2028年度の新1年生から適用する。同年度の2、3年生は統合前の各校の指定品を基本とするが、希望すれば新しい指定品も使用、着用できる。

    内履きを除く旧指定品には使用期限を設けず、きょうだいからのお下がりやリユース品も期限なく使用できる。内履きは買い替え時に新しい指定品へ移行する。

    統合中学校の校章に採用された鈴木心音さんの作品
    統合中学校の校章に採用された鈴木心音さんの作品

    制服はジェンダーレスに対応したブレザータイプ。スラックスとスカート、ネクタイとリボンは生徒が自由に選べる。夏の酷暑と動きやすさに配慮してポロシャツを導入し、半袖シャツと選択できるようにする。ただし、式典などのフォーマルな場では半袖シャツを着用する。

    体操着は機能性に加え、下着が透けない色や素材に配慮。内履きは安全性と経済性を重視する。素材や仕様に不安がある場合や、指定靴が足の形に合わない場合などは個別に対応する。

    通学カバンは自由購入とする。教科書やタブレットを安全に収納でき、幅37センチ、奥行き45センチ、高さ43センチの学校のロッカーに入る大きさなどを基準とする。30リットル程度のリュック型で反射板付きのものを推奨し、高価なものは避ける。基準を満たす推奨品も今後、示す。

    制服と体操着は9月から10月にかけてそれぞれ3案ほどを提示し、小学4年生から中学3年生までを対象にアンケートを実施する。家族と相談して1票を投じてもらい、その結果を参考に1案を決定。細部を調整し、来年3月ごろの完成を予定している。

    14日に越後加茂川夏祭り ウキウキ桃釣り大会が復活

    第41回越後加茂川夏祭りは14日(金)午後2時から9時まで、加茂川河川敷の西宮橋から栄橋までの区間で開く。

    第41回越後加茂川夏祭り
    第41回越後加茂川夏祭り

    物価高騰で運営資金の確保が厳しいなか、市民や事業所の協賛金、募金に加え、キリンビールの「晴れ風ACTION」を通じた全国からの支援を受けて開催する。

    午後2時から9時まで「おいしんぼ広場」を開設。かき氷、ジュース、ビール、おつまみなどを販売する。午後2時から4時まで、加茂川を流れる大きな桃を釣り上げて景品を獲得する「ウキウキ桃釣り大会」が復活する。

    このほか、大輪投げや自衛隊車両、バイクの展示を行う。午後4時半から加茂ライオンズダンスを皮切りに、子どもたちのダンスやよさこいソーランを披露する。

    午後6時20分から、市内の園児や市民が作った灯ろうを加茂川に流す。午後7時からオープニングセレモニー、加茂中学校の「KAMO坂21」の演舞、飛び入り参加歓迎の盆踊り大会と続く。

    午後8時半からの大花火大会では、噴水花火や2尺玉、名物の大ナイアガラ花火が夜空と川面を彩る。

    安全対策として会場内に仮橋は設けず、対岸への移動にはスロープを利用する。周辺道路では午後6時半から10時ごろまで車両通行止めなどの交通規制を行う。

    市内14の障がい福祉事業所を見学

    17日(月)から22日(土)まで、初めての福祉事業所見学イベント「ふらっと見学OK!〜加茂の福祉をのぞいてみようWEEK〜」を市内14事業所で開く。加茂市自立支援協議会が企画、運営する。

    第41回越後加茂川夏祭り
    「ふらっと見学OK!〜加茂の福祉をのぞいてみようWEEK〜」

    各事業所の作業内容や雰囲気を実際に見てもらい、障がい福祉サービスや障がいのある人の「働く場」への理解を深め、将来の進路やサービス選択に役立ててもらう。

    対象は特別支援学校や支援学級などの児童、生徒と保護者、障がい福祉サービスの利用を検討している人、福祉分野で働くことに関心のある学生や社会人、障がい者雇用や事業所への業務発注を検討する企業など。障がいの有無や市内外を問わず参加でき、福祉事業所同士の見学も受け入れる。

    市ではこれまで、学校と福祉事業所による説明会を毎年、開催してきた。その積み重ねで学校側が事業所の情報を把握し、事業所側からも紙による情報提供で足りるとの意見が出たことから、ことしは実際の現場へ気軽に足を運んでもらう事業にあらためた。

    2024年12月施行の「障がいのある人もない人も支えあいともに生きる加茂づくり条例」、通称「加茂支えあい条例」の第17条に掲げる「障がいのある人の自立及び社会参加のための支援」に基づく取り組みでもある。

    参加事業所は、雪椿の舎、Sprite、ファンフューチャー、I WORKS、やまびこ、いんくる加茂福祉相談センター、平成園、第二平成園、第三平成園、ドッグテラス、いんくる五泉加茂など。生活介護、就労継続支援、相談支援、施設入所支援、共同生活援助などの現場を公開する。

    見学可能な日や時間、人数などは事業所ごとに異なる。第三平成園は事前予約が必要で、そのほかの事業所についても市は訪問前に希望先へ日時や人数を連絡するよう勧めている。見学時は受付簿へ記入し、アンケートに協力する。写真撮影には事業所の許可が必要となる。

    加茂紙漉場で紙漉き体験

    加茂紙漉場(加茂市上町1-22)では、かつて七谷地区で生産された和紙「加茂紙」の紙漉き体験を行っている。

    第41回越後加茂川夏祭り
    紙漉き体験

    中学生以上を対象とする通常の紙漉き体験は10月15日まで。午前10時と午後1時半からの2部制で、B5判の紙漉きから乾燥、紙遊びまでを体験する。定員は各回1人から5人。

    夏休み期間中は、小学生と保護者を対象に「親子紙漉き体験」も行う。開催日は10、17、20日が午前10時と午後1時半の2回、11、22日が午前10時の1回。1組でB5判2枚を漉き、紙遊びも体験する。所要時間は1、2時間程度で、定員は各回5組。

    第41回越後加茂川夏祭り
    紙漉き体験

    料金はいずれも1,500円。親子体験は子ども1人を追加するごとに500円が加算される。会見時点では各回とも申し込み可能で、希望日の5日前までに加茂紙漉場、電話0256-52-4184へ申し込む。

  • 「未来ある若者にエネルギーを投資」シャハリアル学長が理科教育と地域産業の融合を語る

    「未来ある若者にエネルギーを投資」シャハリアル学長が理科教育と地域産業の融合を語る

    4日から6日まで新潟県三条市の三条市立大学で開かれている「令和8年度全国理科教育大会・第97回日本理化学協会総会」で2日目の5日、同大学のアハメド・シャハリアル学長が「探究心が拓く未来―理科教育×次世代を牽引する地域産業の融合による価値創造―」と題して記念講演した。全国から集まった高校の理科教員らを前に、画一的な教育から脱却し、若者の想像力や創造性、好奇心を伸ばす必要性を指摘。地域企業と一体になってイノベーション人材を育成する三条市立大学の取り組みも紹介した。

    記念講演を行うシャハリアル学長
    記念講演を行うシャハリアル学長

    「心が変わらないなら次世代に託す」

    シャハリアル学長はバングラデシュ出身。応用システム工学、とくにバイオメディカル工学を専門とし、2000年に東京電機大学で博士号を取得した。

    新潟産業大学、沖縄科学技術大学院大学などを経て、2019年から三条市立大学の設立プロジェクトを主導。2021年4月の開学と同時に初代学長に就任した。

    講演では、日本で10年ほど前からイノベーションの必要性が叫ばれながら、十分に進んでいないとの問題意識を示した。

    「企業の中でも大学のなかでも、私たちの心が一向に変わらない。私たちの世代の心が変わらないなら、次の世代に託すしかない。未来ある若い人たちにエネルギーを投資して、変えてもらうしかない」と語った。

    ものづくりの集積地である燕三条も、AIやデータ技術、あらゆるものがインターネットにつながる技術、脱炭素、再生可能エネルギー、働き方の変化といった世界的な潮流から逃れられないと指摘。従来、技術を少しずつ改善するだけでは地域産業を未来へつなげられないとの危機感が、三条市立大学設立の背景にあったと明かした。

    価格ではなく価値を売る時代

    シャハリアル学長は、これからの産業は製品そのものの価格ではなく、製品が生み出す価値を提供しなければならないと訴えた。

    うシャハリアル学長の記念講演
    シャハリアル学長の記念講演

    スイカを例に、スイカを仕入れてそのまま売るのが従来型のビジネスとする一方、シャーベットやジュース、菓子などに展開することで新たな価値が生まれると説明。「今はスイカそのものではなく、スイカがもたらすさまざまな価値が求められている。いまだにスイカを売っているだけでは売れなくなる」と話した。

    イノベーションを起こすためには、技術だけでなく、社会に残された「満たされていないニーズ」を見つけ、それを満たす発想が必要と強調した。

    教育をファストフード型から農園型へ

    現在の日本の教育については、全国どこでも同じ内容を同じ方法で提供する「ファストフード型」と表現した。

    三条市立大学のオープンキャンパスで高校生を対象に行った模擬ワークショップでは、9グループから似通ったアイデアが出たことを紹介。同じ年代の子どもが同じ環境で、同じ教育を受け続ければ、発想も同じになりやすいとした。

    一方、本来の教育は地域や季節、学ぶ人の状況に応じて内容が変わる「農園型」であるべきと主張。「作物がどちらへ枝を伸ばし、どこに花を咲かせ、実を結ぶかは、育てる側が決めるのではない」と述べ、一人ひとりの適性や関心を伸ばす教育への転換を求めた。

    小学生に質問を促すと一斉に手が挙がるのに対し、中学生になると周囲の顔を見るようになるとの経験にもふれた。「子どもが本来もっている情熱や心の活力が、どこかで消えてしまっているのではないか。理科が彼らの心や情熱を満たしていないから、思春期に理科から離れていくのではないか」と話した。

    AIが知識の蓄積や情報処理を担う時代に、教育に必要なのは知識の伝達だけではないとし、未来を切り拓く原動力として想像力、創造性、好奇心、「なぜだろう」と問いを立てる姿勢を挙げた。

    シャハリアル学長の講演に聴き入る参加者
    シャハリアル学長の講演に聴き入る参加者

    「常識の内側にあるのは安定、維持、満足」

    シャーロック・ホームズとワトソンを引き合いに、規則や制度、合意形成を重視する「ワトソン的」な考え方では、組織を安定して運営できてもイノベーションは起きにくい。常識を越えて考える「ホームズ的」な発想との融合が必要とした。

    「常識の内側には何もない。あるのは安定、維持、満足だけ。常識の向こう側、水平線の向こう側にある景色を見ることができなければ未来はない」と語った。

    学校教育には法律や制度の制約があることを認めつつ、探究学習は決められた枠の外側で生徒の好奇心や創造力を刺激できる機会になるとした。

    193社と連携して地域全体をキャンパスに

    講演後半では、三条市立大学が地域企業193社と連携して進める実学重視の教育を紹介した。大学の建物内だけで完結させず、「地域全体がキャンパス」と位置づけ、企業の現場を学びに組み込んでいる。

    同大学が育成を目指すのは、複数の既存技術を融合し、新たな用途や価値を生み出す「イノベーティブ・テクノロジスト」。工学技術だけでなく、製品をどこへ、どのように届ければ価値が高まるかを考えるマネジメントも学ばせる。

    知識や技術といったハードスキルに加え、コミュニケーション、チームや時間の管理、課題発見・解決、創造力、リーダーシップ、環境への適応力、細部へのこだわりなどのソフトスキルを重視する。

    学生は1年次に企業を見学し、2年次には企画、開発、製造の異なる企業3社でそれぞれ2週間、計6週間の実習を経験する。3年次には1社で16週間にわたる長期実習に取り組み、企業の潜在的な課題を見つける。

    記念講演を行うシャハリアル学長
    記念講演を行うシャハリアル学長

    その課題を4年次の卒業研究へ発展させ、学生、大学教員、企業の担当者が一緒になって解決を図る。

    シャハリアル学長は「大学教授より工場長から聞いた方が臨場感があり、腑に落ちやすいことがある」と述べ、誰から、どこで学ぶのが最も効果的かを考えて教育を設計していると説明した。

    地域企業の中から新たな事業を

    企業との連携によって得られたアイデアは、概念実証を行い、可能性のあるものを知的財産化して共同研究につなげる。大学発ベンチャーだけでなく、既存企業の中に新たな価値観を持つ事業を誕生させ、企業や製品の付加価値を高めることを目指す。

    「坂の上の雲」を引き合いに「組織の強さを決めるのは設備そのものではなく人」
    「坂の上の雲」を引き合いに「組織の強さを決めるのは設備そのものではなく人」

    シャハリアル学長は、地域産業への技術移転によって利益と雇用を生み出すことを「社会実装」と定義。「新しい雇用をつくり、地域へ知識を還元して経済的なインパクトを生み出し、燕三条の未来を確かなものにしたい」と述べた。

    最後は司馬遼太郎原作の「坂の上の雲」を引き合いに、「組織の強さを決めるのは設備そのものではなく人」と強調。次代を担う人材の育成こそが、地域産業と日本社会の未来を切り拓く力になるとして講演を結んだ。

  • 全国の高校理科教員ら304人が三条に集結 43年ぶりの新潟大会

    全国の高校理科教員ら304人が三条に集結 43年ぶりの新潟大会

    「探究心を育む理科教育」を主題にした令和8年度(2026年度)全国理科教育大会・第97回日本理化学協会総会新潟大会の開会式が5日、新潟県三条市上須頃の三条市立大学で行われた。全国から高校の理科教員ら304人が参加。新潟県での開催は昭和58年(1983)の第54回大会以来、43年ぶりとなった。

    令和8年度(2026年度)全国理科教育大会・第97回日本理化学協会総会新潟大会の開会式
    令和8年度(2026年度)全国理科教育大会・第97回日本理化学協会総会新潟大会の開会式

    大会は第65回北信越理科教育研究会新潟大会と令和8年度新潟県高等学校教育研究会理科教育研究会を兼ね、4日から6日までの3日間。「『探究心を育む理科教育』―地域産業との連携で探る、新たな価値の創造に向けて―」を主題に、研究協議や研究発表、講演、燕三条地域を中心としたコース別研修を行っている。

    ものづくりの燕三条で理科教育の未来を考える


    2日目の5日は開会式で始まった。主催者を代表して日本理化学協会の上村礼子会長と、新潟大会運営委員長で県立新潟北高校・碧高校校長の田邊康彦さんがあいさつした。

    上村会長は、7月28日に発生した熊本地震や、能登半島地震と奥能登豪雨の被災者に見舞いを述べ、被災地の一日も早い復旧、復興を願った。

    大会の主題に触れ、「ものづくりの拠点である燕三条地域で本大会を開催することは、理科教育と地域産業とのつながりを実感し、科学的な見方、考え方を社会に生かす学びのあり方を考えるうえで大変、意義深い」と述べた。

    日本理化学協会の上村礼子会長
    日本理化学協会の上村礼子会長

    大学入学者に占める理工系の割合が19%にとどまり、学士課程で理工系を専攻する割合も男性29%に対して女性8%と大きな男女差がある現状を紹介。一方、2040年には大学、大学院卒の理系人材が約120万人不足するとの推計を挙げた。

    生徒一人ひとりが自ら問いを見いだし、仲間や地域社会と関わりながら粘り強く探究する理科教育の重要性を訴え、「高校の理科教育関係者は重大な責任感と使命感をもって、理科教育の一層の進展を図る必要がある」とした。

    43年ぶりの開催を手探りで準備

    田邊運営委員長は、新潟県での開催について「ほぼ半世紀近くに及ぶ手探りの状態から企画、準備を進めてきた」と振り返り、全国からの参加者を歓迎した。

    一昨日まで長岡市で開かれていた長岡花火を「圧倒的な光と音の化学・物理反応の饗宴」と表現。参加者に配られた紺色の手提げ袋は、県立月ヶ岡特別支援学校見附分校クラフト班の生徒が、消しゴムはんこをひとつずつ押し、アイロンで定着させて製作したことも紹介した。

    三条市について「古くから金物、ものづくりのまちとして全国にその名を知られ、伝統と革新が融合する先端的な産業地域」と説明。三条市立大学でも地域産業と深く結びついた実践的な教育研究が展開されているとした。

    6日のコース別研修では刃物や金属加工、新潟の酒造りなどに触れるプログラムを用意。「子どもたちの探究心を刺激し、それを確かな資質、能力へと高めていく理科教育の役割はますます大きくなっている。理科教育の未来を照らす有意義な大会となることを願う」と述べた。

    地域産業との連携に期待

    松本洋平文部科学大臣の祝辞は、文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官の小林和人さんが代読した。

    祝辞では、不確実で変化の大きい時代に対応できる理工・デジタル系人材や、新たな価値を生み出すイノベーション人材の育成を重視。理科を学ぶ意義や有用性を実感させ、関心を高めるため、日常生活や社会との関連を重視するとともに、科学的に探究する学習を充実させる必要があるとした。

    地域産業との連携については「子どもたちに学習内容と社会との結びつきを意識させる大きなきっかけになる」とし、大会で得られた研究成果や授業実践が全国で共有され、高校理科教育の充実、発展につながることに期待した。

    新潟県教育委員会教育長の祝辞も代読された。燕三条地域について、世界に誇る金属加工をはじめ、多様なものづくり産業が集積し、先端科学技術を取り入れながら新たな価値を創造してきた地域と紹介した。

    理科教育と地域産業が連携することで、生徒が身近な事例を通して学習内容と先端科学技術との関係を理解し、理科が社会を支えていることを実感できると指摘。「自ら問いを立て、科学的に探究する方法を用いて解決策を導き出し、新たな価値を創造できる人材を育成することが求められている」とした。

    科学の広場も
    科学の広場も

    教育功労者や優れた研究を表彰

    開会式に続いて表彰式が行われ、長年にわたって理科教育に尽力した教育功労者を表彰した。受賞者を代表し、兵庫県立北須磨高校校長の津田量さんに上村会長が表彰状を手渡した。記念品には、新潟県の金属加工技術を生かしたタンブラーが贈られた。

    優れた研究実践をたたえる日本理化学協会賞では、化学部門と探究・教育部門の2人を表彰した。特別功労賞には8人が選ばれた。

    総会では令和7年度の事業、決算、会計監査を報告し、令和8年度の事業計画と予算などを承認。令和9年度の全国理科教育大会を神奈川県で開くことも決めた。

    研究協議や地域産業を巡る研修

    このあとは三条市立大学のアハメド・シャハリアル学長が「探究心が拓く未来―理科教育×次世代を牽引する地域産業の融合による価値創造―」と題して記念講演した。個別最適な学び、観察・実験の工夫、地域産業との連携などを取り上げる7分科会の研究協議も行われた。

    最終日の6日は7会場で研究発表を行い、午後から希望者がコース別研修に参加する。研修では燕三条地域の刃物や金属加工をはじめ、新潟県内の酒造りなどに触れ、地域産業を理科教育に生かす可能性を探る。

  • 安い値札に付け替えて釣りざおを購入した宮城県の無職20代男を5回目の逮捕

    新潟県警三条署、新潟中央署、燕署、長岡署は5日、商品の値札を安い商品のものに付け替えて釣りざおを購入した宮城県登米市の無職男(24)を逮捕した。

    発表では、男は5月10日午前11時ごろ、宮城県多賀城市内の商業施設で、店内に陳列されていた販売価格3万6190円の釣りざおから値札を取り外し、別の商品に付いていた販売価格4290円の値札を取り付けたうえで、店員に差し出して精算し、釣りざお1本をだまし取った疑い。

    長谷容疑者は、この事件とは別に、5月12日、6月1日、同24日、7月15日にも詐欺(買受け)の疑いで逮捕されており、今回が5回目の逮捕となる。

  • 「はしの日」に約500膳を焼納 三条八幡宮ではし供養祭、道具に宿る魂に感謝

    「はしの日」に約500膳を焼納 三条八幡宮ではし供養祭、道具に宿る魂に感謝

    「は(8)し(4)」の語呂合わせで「はしの日」の8月4日、新潟県三条市の八幡宮(藤崎重康宮司)で「はし供養祭」が行われた。関係者や市民が持ち寄った使い古しのはし約500膳を焼納し、日々の食を支えてきたはしに感謝した。

    はし供養祭
    はし供養祭

    県央地域の食品関係事業者などでつくる県央食品衛生協会三条支部(石川友意支部長)が主催した。藤崎宮司が神事で参列者の県央支部会員ら10人余りをおはらいしたあと、祝詞を奏上。参列者が玉串をささげ、これまで食事に使ってきたはしに感謝するとともに、食品衛生の向上などを願った。

    続いて境内に設けたかがり火台に、飲食店や家庭などから集められた主に使用済みの割りばしなど約500膳を次々にくべた。火が勢いよく燃え上がるなか、参列者は静かにはしを見送り、その役目をねぎらった。

    神事後、藤崎重康宮司は、はしは単なる道具ではないとし、「ものづくりのまち三条では、道具に魂を込め、出来上がったものにも魂が宿ると昔から考えられてきた」と話した。

    手洗い指導
    手洗い指導

    さらに、日本にはさまざまな道具や食材の供養祭があることにふれ、「ここでは昔から歴史のあるはし供養祭をずっと続けている」と、長年にわたり行事を守ってきた関係者をねぎらった。

    三条市のはし供養祭は、1978年(昭和53)に当時の三条割烹組合の有志が行ったのが始まり。翌79年から食品衛生協会が主催し、7.13水害や新型コロナウイルス禍で休止した年を除いて続けてきた。

    神事のあとはミニ縁日を開き、かき氷を無料で振る舞ったほか、子どもたちはスーパーボールすくいや水ヨーヨー釣りを楽しんだ。手洗い指導のコーナーも設け、会員が正しい手洗いを教えた。

    かき氷のふるまい
    かき氷のふるまい


    例年は焼きそばも無料で振る舞ってきたが、ことしは衛生面などを考慮して試験的に取りやめた。そのためか参拝者は例年よりぐっと少なく、焼きそばを求める順番待ちの行列ができることはなかった。

    この日はようやく新潟県を含む北陸地方の梅雨が明けた。ギラギラと日差しが照りつけ、33.9度まで気温が上がる厳しい暑さのなか、訪れた親子連れらは燃えるはしの炎の熱に顔をしかめながらも、はしを大切にする日本の文化にふれていた。

  • 土木建築工事業・金子建設(見附市)が破産手続き開始決定 負債約1億4800万円

    新潟県見附市の土木建築工事業、金子建設株式会社(資本金3,000万円)は7月27日、新潟地裁長岡支部から破産手続き開始決定を受けた。負債は約1億4,800万円の見込み。

    帝国データバンクの調べでは、同社は1967年8月設立。新潟県や見附市などの官公庁や一般顧客を取引先に、土木工事を主体として、とび・土工工事、建築工事、舗装工事などを手掛けていた。1988年12月期には年売上高約4億3,100万円を計上していた。

    しかし、近年は同業者との競争や営業エリア内の需要低迷で業況が低調に推移。2025年12月期の年売上高は約5,200万円まで落ち込み、債務超過に陥っていた。その後も業況が改善せず、先行きの見通しが立たないことから事業継続を断念した。

    破産管財人には、山口法律事務所(見附市)の山口祐子弁護士が選任された。財産状況報告集会は12月3日午前11時40分から開かれる。

  • 全国の高校理科教員ら約310人が三条市立大学に集結 43年ぶりの新潟大会、燕三条の特色を生かして地域産業との連携探る

    全国の高校理科教員ら約310人が三条市立大学に集結 43年ぶりの新潟大会、燕三条の特色を生かして地域産業との連携探る

    全国の高校などで理科教育に携わる教員や関係者が一堂に会する「令和8年度全国理科教育大会・第97回日本理化学協会総会新潟大会」が4日、新潟県三条市の三条市立大学で始まった。6日までの3日間、約310人が講演や研究協議、実践発表を通じて、これからの理科教育のあり方を探る。新潟県での開催は43年ぶり。

    令和8年度全国理科教育大会・第97回日本理化学協会総会新潟大会
    令和8年度全国理科教育大会・第97回日本理化学協会総会新潟大会

    ものづくりのまち燕三条を「生きた教材」に主題は「探究心を育む理科教育」

    日本理化学協会と新潟県高等学校教育研究会理科部会が主催。大会主題は「『探究心を育む理科教育』―地域産業との連携で探る、新たな価値の創造に向けて―」とした。

    会場に燕三条地域を選んだのは、新潟県のほぼ中央に位置し、上越新幹線の燕三条駅があるなど全国から集まりやすいことに加え、金属加工を中心とする地場産業が集積しているため。新潟市、長岡市、上越市ではなく県央地域で開き、燕三条ならではの特色を大会に打ち出した。

    燕三条のものづくりには、摩擦や熱伝導、金属の結晶構造、酸化還元など、高校の理科で扱う知識が随所に生かされている。教室で学ぶ理論が実際の製品や産業にどう結び付き、新たな価値を生み出しているのかを学ぶ「生きた教材」として地域全体を捉えた。

    燕三条の地域性を盛り込みコース別研修は職人の技や製造現場を体感

    大会主題も、近年の理科教育で重視される探究学習や個別最適な学びだけにとどまらず、「地域産業との連携で探る、新たな価値の創造に向けて」と燕三条の地域性を盛り込んだ。

    学校の中だけで教育を完結させず、企業や地域と輪を広げながら子どもたちの探究心を育てる理科教育を考える。

    会場の三条市立大学は、地域企業と連携した実践的な工学教育を進めており、大会テーマを具体化する場としてふさわしい。参加記念品にも燕三条製のステンレス製エコカップを採用。最終日のコース別研修では、金属加工や木工、アウトドア製品などの企業や産業施設を巡る。

    コース別研修では、藤次郎ナイフギャラリーや燕市産業史料館、道の駅燕三条地場産センター、マルナオ、スノーピークミュージアム、野崎製作所などを訪問。職人の技や製造工程、地域産業の歴史に触れ、理科の知識が製品や価値の創造に結び付く現場を体感する。

    北海道、九州、沖縄まで、全国から理科教員や関係者ら約310人が参加。うち県内からの参加が50人ほどを占めている。

    初日は次期学習指導要領を見据えた講話

    令和8年度全国理科教育大会・第97回日本理化学協会総会新潟大会
    令和8年度全国理科教育大会・第97回日本理化学協会総会新潟大会

    初日の4日は、全国理事会や研究代表者会議などを行った。文部科学省初等中等教育局教育課程課の小林一人教科調査官が「科学的に探究する資質・能力を育てる理科教育」と題して講話し、次期学習指導要領に向けた課題や方向性を示した。

    参加者は、現行の学習指導要領による授業で主体的、対話的で深い学びをどこまで実現できたのか、学校ごとに実践状況や学習効果を把握、分析する必要性などについて理解を深めた。

    理科設備の保有状況などに関する調査報告もあり、日本理科教育振興協会の石崎宏行常務理事が全国216校から得た回答を基に現状を説明した。

    三条市立大学長が「探究心が拓く未来」を講演

    5日午前9時15分から開会式と表彰式を行い、長年にわたり理科教育に尽くした教員らに教育功労賞、協会賞、特別功労賞を贈る。

    午前11時からは三条市立大学のアハメド・シャハリアル学長が「探究心が拓く未来―理科教育×次世代を牽引する地域産業の融合による価値創造―」と題して記念講演する。

    AIが知識の蓄積や情報処理を担う時代に、想像力や創造性、好奇心、「なぜだろう」と問いを立てる姿勢を理科教育でどのように育むかを考える。理科教育の役割を、科学を教えることだけではなく、未来を創造する人を育てることとして捉え、地域産業との融合による新たな可能性を示す。

    7分科会で授業や実験のあり方を議論

    5日午後は、物理、化学、生物、地学など7分科会に分かれ、2時間半にわたって研究協議を行う。個別最適な学びと協働的な学び、探究心を育む授業づくり、観察や実験の工夫などをテーマに、実践事例を持ち寄って意見を交わす。

    第7分科会では「地域産業との連携で探る、新たな価値の創造のための理科教育」をテーマに、地域や企業との連携を理科教育にどう生かすかを議論する。

    最終日の6日午前は、物理、化学、生物、地学の各分野で研究発表を行う。うがい薬を用いた酸化還元実験をはじめ、教員が授業や実験で実践している工夫などを発表。午後はコース別研修を行う。

    ものづくりの現場を理科教育の視点で見つめ、地域産業と科学との「生きたつながり」を学ぶ3日間となる。

  • 北陸、東北南部、東北北部の各地方が梅雨明けして全国が梅雨明け

    北陸、東北南部、東北北部の各地方が梅雨明けして全国が梅雨明け

    気象庁は4日、新潟県を含む北陸と東北南部、東北北部の各地方が梅雨明けしたと見られると発表した。北陸は平年より12日、昨年より36日遅く、東北南部は平年より11日、昨年より17日遅く、東北北部は平年より7日、昨年より17日遅い梅雨明け。これで梅雨のない北海道を除く全国が梅雨明けした。

    梅雨明けの八幡宮境内で箸供養の炎が上がる
    梅雨明けの八幡宮境内で箸供養の炎が上がる

    北陸地方は、1951年以降で梅雨明けの時期が特定できなかった4年間を除き、4番目に遅い梅雨明けとなった。梅雨の期間は6月20日の梅雨入りから46日間だった。

    4日の三条市は明け方、22.4度まで気温が下がって涼しかった。朝のうちは薄雲が広がったが、ぐんぐん青空が広がって快晴に。午前11時までに31.3度まで上がる猛暑になっている。

    この猛暑のなか、三条市・八幡宮では「はし供養祭」が行われた。語呂合わせで「はしの日」の8月4日に合わせて毎年、県央食品衛生協会三条支部が行っている行事。額に汗を浮かべて燃え盛る火の中に使用済みの割りばしなどをくべた。

    弁天池のカメ
    弁天池のカメ

    境内の通称「弁天島」ではカメがやたらと元気。全力で爆泳するカメもいて競争するかのよう。一方で炎天下で甲羅干しするカメもいた。

    この先1週間は、新潟に雨の予報はない。予想最高気温はいずれも35度前後で、熱中症にはいっそうの注意が必要だ。

  • 三条市が熊本県宇城市の災害支援寄付を代理受付 ふるさと納税で復興支援

    三条市が熊本県宇城市の災害支援寄付を代理受付 ふるさと納税で復興支援

    新潟県三条市は4日、7月28日に発生した「令和8年熊本地震」で被災した熊本県宇城市(うきし)を支援するため、ふるさと納税ポータルサイト「ふるさとチョイス」で災害支援寄付の代理受付を始めた。受付期間は12月31日までを予定している。

    熊本県宇城市への災害支援寄付金を三条市がふるさと納税で代理受付
    熊本県宇城市への災害支援寄付金を三条市がふるさと納税で代理受付

    宇城市では地震によって住宅の倒壊や道路網の寸断など深刻な被害が発生しており、救援活動やインフラの復旧が進んでいる。

    代理寄付は、被災していない自治体が被災自治体に代わって寄付を受け付ける仕組み。三条市が寄付金受領証明書の発行などの業務を担うことで、宇城市の事務負担を軽減し、優先度の高い災害対応に専念できるようにする。

    寄付は「ふるさとチョイス」の令和8年熊本地震災害支援・寄付ページで受け付ける。クレジットカード決済で、寄付額は2,000円以上。災害支援を目的としているため返礼品はない。

    寄付金は受付終了後に宇城市へ渡され、被災者の生活支援や復旧、復興に活用される。

    問い合わせは三条市ふるさと納税お客様窓口、電話0120-178-128。受付時間は土・日曜、祝日、年末年始、お盆期間を除く午前9時から午後5時まで。

  • 弥彦村出身の女性俥夫が人力車で凱旋 6日に弥彦神社―弥彦競輪場を運行

    弥彦村出身の女性俥夫が人力車で凱旋 6日に弥彦神社―弥彦競輪場を運行

    東京・浅草の観光人力車集団「東京力車」に所属する新潟県弥彦村出身の女性俥夫(しゃふ)、中村寿々(すず)さんが8月6日(木)、1日限定で弥彦村に凱旋し、人力車を引いてふるさとを案内する。

    新潟県弥彦村出身の女性俥夫、中村寿々さん
    新潟県弥彦村出身の女性俥夫、中村寿々さん

    中村さんは2025年、東京・浅草観光で人気の人力車集団「東京力車」の俥夫としてデビューした。これを記念し、弥彦村観光商工課が観光客へのおもてなしの一環として「すずちゃんおかえり!ふるさと凱旋人力車めぐり」を企画した。

    当日は午後1時から5時まで、弥彦神社一の鳥居前と弥彦競輪場宝光院側入り口を結ぶルートを往復する。所要時間は約20分から30分の予定で、1ルートにつき2人まで乗車できる。

    運行は計8回で事前予約制。乗車料金は1回1,500円。小学生以下は保護者と一緒に乗車する。中村さんのほか、東京力車の男性俥夫による運行も予約できる。

    予約は8月3日からメール(info@tokyo-rickshaw.tokyo)で受け付けている。メールの件名を「すずちゃんおかえり!ふるさと凱旋人力車めぐり」とし、本文に氏名、住所、電話番号、乗車人数、希望する俥夫を記入する。子どもが同乗する場合は、その旨も明記する。

    先着8組。乗車開始となる集合時間は、予約後にメールで知らせる。主催は弥彦村観光商工課、協力は東京力車。問い合わせは弥彦村観光商工課、電話0256-94-1025。

  • 印刷業「トーヨービジネス」(新潟市秋葉区)が自己破産申請 負債約4545万円

    新潟県新潟市秋葉区の印刷業、株式会社トーヨービジネス(資本金1000万円、従業員13人)は7月30日付けで事業を停止し、同日、新潟地裁へ自己破産を申請した。負債は債権者約68人に対して約4545万円。

    帝国データバンク新潟支店の調べでは、同社は1978年12月設立。過去に倒産した企業の営業基盤を引き継ぎ、官公庁や商工会議所を中心に、地元スーパーや民間企業などを得意先としていた。

    パンフレット、カタログ、チラシ、ポスターなどの商業印刷や出版を手がけ、2001年7月期には約2億9000万円の年間売上高を計上した。

    しかし、近年は紙媒体の需要縮小に伴って受注が減少。2025年7月期の年間売上高は約1億2000万円まで落ち込んでいた。

    コンサルティング会社の助言を受けながら印刷以外の新規事業を模索したものの、具体的な取り組みには至らなかった。資金繰りが困難となり、事業の継続を断念した。

    申請代理人は野口法律事務所(新潟市中央区)の弁護士。

  • 「恩送り」で三条市立大生40人を支援 高波龍風奨学金の奨学生認定式

    「恩送り」で三条市立大生40人を支援 高波龍風奨学金の奨学生認定式

    新潟県三条市に本社を置く調理器具・アウトドア用品メーカー、パール金属(株)の創業者でパールホールディングス(株)の高波久雄代表が代表理事を務める一般財団法人高波龍風記念財団は3日、三条市立大学(アハメド・シャハリアル学長)の学生40人を2026年度高波龍風奨学金の奨学生に認定した。

    2026年度高波龍風奨学金奨学生認定式
    2026年度高波龍風奨学金奨学生認定式

    返済不要で1人年額48万円

    高波さんは3億円の私財を原資に、自身の書道の雅号「龍風」を冠した財団を設立。2022年度から毎年、三条市立大学の学生を対象に、各学年10人、計40人に1人当たり月額4万円、年額48万円の返済不要の奨学金を給付している。

    午後2時から三条市立大学で認定式が行われ、高波さんから各学年代表の奨学生に認定証を手渡した。

    高波さんは、会社を興してから60年間にわたって事業を続けてきたことに触れ、若いころから多くの人に支えられてきたと振り返った。しかし、恩返しをしたいと思っても、すでに亡くなったり、所在がわからなくなったりした人も多いことから、次の世代へ恩をつなぐ「恩送り」として奨学金を始めたと説明した。

    高浪代表理事
    高波代表理事

    学生に対して「大学の4年間をどう過ごすかが人生の勝負になる。今が皆さんの勝負の時」と呼びかけ、「一生懸命に勉強し、健康に留意して、地域社会に貢献できるよう頑張っていただきたい」と激励した。

    大学院で風の流れを研究

    奨学生を代表して2人が礼を述べた。1人は来春の大学院進学を予定する4年生。大学院では数値流体解析を使った風力に関するシミュレーション技術を研究する。奨学金を学費や研究に必要な専門書、資料の購入に活用すると述べた。

    「経済的な不安を軽減し、学業と研究によりいっそう集中できる環境を整えることができる」と感謝し、「将来は研究を通じて得た知識や経験を社会に還元し、航空分野の発展に貢献できる技術者、研究者になりたい」と決意を述べた。

    奨学生代表のお礼の言葉
    奨学生代表のお礼の言葉

    もうひとりは将来、電気にかかわる技術者として社会に貢献することを目指している。国家資格の第三種電気主任技術者は前年度に3科目に合格し、第二種電気工事士の資格も取得した。

    奨学金は教材の購入費や受験料、生活費の一部に活用している。ことしから始まるメンター制度では、自身が学んだ知識や資格取得の経験を1年生に伝え、「自分が苦労した点や理解するための工夫を共有し、少しでも後輩の力になりたい」と話した。

    金銭ではなく社会への貢献で返す

    シャハリアル学長は、同大学が開学して6年目を迎え、奨学生の認定は5期目になるとして、継続的な支援に感謝した。

    記念撮影
    記念撮影

    返済不要の給付型奨学金について「お金という形で返さなくてもいいという意味だと思う」が、学生は日本の未来をつくる存在だとして、「将来、金銭ではない別の形で社会に還元していかなければならない」と役割を求めた。

    専門性だけでなく、ひとりの人間として社会に対する責任を意識するよう求め、「大学で学術的にも人間的にも成長し、恩をどのように社会へ返すのかを考え、立派な大人になってほしい」と期待した。